残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法  by 橘玲 【読書記録】

橘 玲氏は1959年生まれ。
私よりもちょっと上だが、生きてた時代はほぼ同じか。
2002年にマネーロンダリングで作家としてデビューし、
その後もお金を題材とした小説や指南書などの著書を多数だしている。
本書はタイトルのとおり、まず世の中は残酷であるというところからスタートしている
大学を出てもまともな職業にもつけない時代、東京の中央線は自殺の名所となり、しょっちゅうダイヤはストップ。小学生はいじめで自ら命を断つ時代。
こんな世の中をどう生き延びるか?
その前提として、「やればできる」という仮説をすて「やってもできない」事実を認め、そこからスタートするというから本書は始まっている。
能力は向上するか?
この章では人間の能力をいくつかに分解。人によって優れた部分をドラえもんののび太やジャイアン、スネ夫、デキスギくんに例えて解し、ではその能力は努力によって変えられるのか?
また、好きな事を仕事にするということはどういうことかについて具体的な事例をもって解説している。
自分は変えられるのか?
わたしが変われば世界は変わる。
では、私は変えられるのか?
この事について橘氏は色んな視点と例を用いて語る。この幅広さはすごい。
この章では、伊坂幸太郎の「重力ピエロ」、ニホンザルやチンパンジー、囚人のジレンマ、本人のマクドナルドでのバイト時代からこのテーマについて語る。ただ、話が飛びすぎてちょっとわかりにくいかも。
他人を支配できるか?
前章まででは、事例をベースにより現実を直視するような構成となっている。
では、本章では他人に影響を与えられるか、ということについて解説。
ここではハワイのヒルトンクラブ、円天などを事例に解説している。
幸福になれるのか?そして最終の結論
ここまで現実の社会を認識させ、最後にでは、幸福になれるのか?
で、その方法は?ということについて語っている。
まずは今の社会において、なぜ自分は不幸だと感じるのか?から解説。
そして、幸せと感じる人の事例。そして、この社会で生き延びるにはどうするかという橘氏の考えに発展していく。
全体的には人が改めて認識したく無いことを事例をもって論理的に説明して行くので、トーンの暗い本なんですが、それぞれの事例が面白いのでつい引き込まれてしまいます。
自分の進む方向に迷った時など、本書を読むと一筋の光は見えてくるかもしれません。
ただし、自分が実践するかどうかが重要ですけどね。
そんな方にはお勧めです。

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