天空の蜂 by 東野圭吾

2015年9月に映画化されたエンタテイメント小説
622ページもある分厚い文庫本だが、ハラハラドキドキ楽しく読めた。

ヘリコプターを奪い原発の上に停止させるという事件
自衛隊に引き渡す予定の最新式の大型ヘリコプター
それが引き渡し前に奪われ、原発の上に停止させる
犯人の要求は全国の原発の停止だ。
要求を飲めなければ、ヘリコプターを原発の上に落とすという。。
なぜ、そんな事が出来るのか?
それはヘリコプターが最新式でGPSデータを基に自分の位置を把握できるため、
自動航行ができるということ。
フライバイワイヤーという方式により操縦操作を機械的ではなく電気信号で送ることにより
信号制御すれば操縦できてしまうという事にある。
かなり小説の中にも技術的な解説が出てくるが、著者の東野圭吾がエンジニア出身ということで、分かりやすくかけているのであろう。
これが書かれたのが20年前だということに驚き
本書は単行本として1995年に刊行されている。
もう20年前だ。当時はようやく携帯電話が普及しだし、Internetはまだまだ皆んなが使う様な時代ではなかったし、そもそもModemだった288kbps位の時代だったと思う。
その為、犯人は犯行声明の伝達にPC通信を使い、FAX送信を遠隔地から行なうという事をしている。
その操作も公衆電話からである。
デジタルとアナログが繋がり出したいい時代感を感じさせてくれる。
この物語からのメッセージは現代にも通じる
2011年の震災から福島の原発の処理はまだ終わっていない。
本書も原発の停止がテーマではあるが、20年前に書かれたメッセージは今にも通じるものである。
震災直後は全国の原発が停止し、日本中も節電などの対応をとっていたが、そろそろ忘れつつある今。
この時期に映画化されたというのは、その時の事を思い出させるという意味もあったのではと思われる。
楽しみながらも、忘れつつある事に気付かさせれる。
そんな一冊だった。
映画予告編はこちらから
http://youtu.be/EM0DiDNTJM0

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