【書評】糖質制限の真実 by 山田悟 ~ これからの食べ方を考えたくなった

栄養学も新たな発見があると従来までの考え方ががらりと変わる。
本書はその事実を教えてくれる。

日本人の三大死因の原因は血糖異常だった

日本人の死因は1位がガン、2位が心臓病、3位が肺炎、4位が脳卒中。3位は4位の後遺症のケースが多くひとくくちに考えると3つの死因に分類される。
そして、これら死因の元をたどると生活習慣にたどり着き、、生活習慣病は「糖尿病」「高血圧」「脂質異常症」の3つで8割を占めるそうだ。
その頂点にある生活習慣においてもっとも恐ろしいのが食後高血糖。本書はその食後高血糖をいかに防ぐかという食事法を解説している。
黒が白になった栄養学

これまでの栄養学で言われてきたカロリー制限。
近年の研究結果でこれまでの常識であったことで多くのことが覆っているそうだ
たとえば、2013年には「たんぱく質の制限はしてはいけない。なぜならば制限してもなにもいいことはない」ということが発表されたり、食べるコレステロールを控えても血液中のコレステロール値は下がらないということが実験の結果明らかになってきている

カロリー制限には意味がない
カロリー制限は今でも太っている人の減量法としては有効だそうだ。
しかし、カロリー制限と心臓病の発生には因果関係がないことも検証されている。
10年間のカロリー制限でお腹のすくのを我慢しても、心臓病を減らすことはできなかった。その代わり骨密度が減少するという問題が発生することがわかったきている。
ゆるやかな糖質制限

本書では食後高血糖になることを避けるために糖質制限を薦めている訳だが、糖質制限と炭水化物制限は違う。
炭水化物抜きの食事をすると炭水化物の中に含まれる食物繊維まで抜くことになってしまうので、これは薦めていない。
新しい食べ方を普及させるためには言葉が必要ということでロカボという言葉を作り、本書ではこのロカボの食べ方についてこの後説明が進む。
考え方としては、「ゆるやかな糖質制限」である。
現代の日本人は平均すると1日270~300グラムくらいの糖質を食べているそうだが、これを半分程度に抑える食べ方である
従来のカロリー制限との違いは、カロリー制限が何を食べてもいいが、量は制限し、お腹がすいても我慢という考え方だが、ロカボは食べてもいいが、ここだけは変えてください。ただお腹いっぱい食べていいですよという違いである。
具体的なロカボの食べ方は

ロカボな食事は一食あたりの主食を減らすことから始める。
積極的にとるのは肉、魚、豆腐などの大豆製品、野菜、そしてナッツ
ただし、野菜でも芋、かぼちゃ、豆は糖質が多いため注意。
ご飯は1食あたり70gに抑えおかずをいっぱい食べる。ご飯70gは食パンに置き換えると6枚切り食パン1枚。
結構注意が必要なのが、果物に含まれる果糖。果糖は体内で中性脂肪に変化し、内臓にくっつき脂肪肝などを引き起こしやすくなるそうだ。
お酒はウィスキー、焼酎、ジン、ウォッカなどの蒸留酒はもともと糖質ゼロなので、問題なし。醸造酒の中ではワインが糖質少なめ。日本酒もそれほど多くの糖質を含んでいるわけでないので、食事でコントロールすれば十分飲める。
そして興味深いのは砂糖より人口甘味料をすすめていること。人口甘味料については、発がん性があるなど色々問題しされているが、これまでの実験の内容からも問題はないそうだ。
本書の巻末に糖質が少ない食品、多い食品の一覧があるので参考にしたい。

 

まとめ

本書を読んで色々気づかされてのは、○○が悪いとかセンセーショナルに言われている事を実は裏づけのない事をいつの間にか事実として自分の中の常識にしてしまっていること。そしてそれは自分だけでなく、医療関係の方も自分が当時学んだことを常識として思い込み学説の変化についていっていない場合があるということ。
本書の食べ方を今参考にさせてもらっているので、それによる自分の身体がどう変化するかは別途レポートしたいと思う。



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