【書評】コーチングのプロが教える 「ほめる」技術 by 鈴木義幸 : 部下を持つ人におすすめの一冊

今月の私の読書テーマが「コーチング」でしたので、取り上げた一冊です。
本書の著者 鈴木氏はサラリーマンからアメリカの大学で心理学を学び、帰国後日本で初めてのプロフェッショナル・コーチ養成会社を立ち上げた方。
本書のテーマは「どうすれば人は動くのか?」 相手を動かすにはどのようにエネルギーを伝えるのか?
私自身大変参考になり、読んでいる途中からすぐに実践に移せるような一冊でした。



本書の構成は
第1章 人を動かすアクノレッジメント
第2章 認めること ほめること
第3章 たった一言で気持ちは伝わる
第4章 人によって接し方はさまざま
第5章 相手にあったコミュニケーションを選ぶ
第6章 アクノレッジメントで何が変わったのか?
気になったポイント
ほめるというのは、ただ「すごい!」「すばらしい!」と美辞麗句を投げかけることではない、と。相手が心の底で、他人から聞きたいと思っている言葉を伝えて初めて、「ほめる」という行為は完結する。
⇒ たとえば、プロ野球の監督がむずかしいボールを打った選手に対し、「やった、さすが君は天才だ」なんていわれても喜びません。他人が聞きたいと思っているのは、「あのむずかしいタマをよくひきつけてあわせたな」とか聞きたい言葉を伝えるということだそうです。

相手の行為や存在に対して明確に「言葉」で承認を与える場合、大きく分けて二つのスタンスがあります。それはYouとIです。私にとって最良の紹介は「I」で紹介してくれる人です。
⇒著者もセミナーなどで後援する際に「今日の講師の方もまだまだ若いので皆さんに役に立つかどうか」と紹介されても、「アメリカの大学院で心理学を学びこの業界では第一人者」とか紹介されても緊張したり萎縮するばかり。それよりは「私が以前先生の話を聞いて、皆さんにもきっと役に立つと感じました」というようにIを主語にすることでがぜんやる気が出るようなことです。

一方的なアドバイスにはアクノレッジメントがありません。相手のことを考えているとか、相手を心底大事にしているというよりは、教えたい、自分にはそれだけの知識があることを誇示したいという、アドバイスする側のニーズを満たしているにすぎないことが多いのです。
⇒これはよく胸に手をあてて考えなければならないと感じたところです。

向こうが投げたボールに対して、そのボールをすぐに返す、というのは相手に対するアクノレッジメントとなります。逆にボールをいつまでも返さないでいると、その程度にしか自分のことを思っていないのだと思われかねません。
⇒このあたりは部下への接し方。部下からもらったメールにすぐ返信していますか?本人しているつもりでも意外とできていないものです。

一度で良いですから「本気」であいさつしてみてください。まず、鏡の前で何回も何回もその「本気」を練習してみましょう。そして朝、部下に会った時には、しっかりとした、それでいて穏やかな眼差しを向けながら、少し声を低く落として伝えます。「おはよう」と。それまでのすべてのわだかまりを帳消しにして、新しい関係の始まりを予感させる「おはよう」を伝えるのです
⇒こちらも部下への接し方ですね。相手から挨拶してくるのが当然という態度ではいけません。

コーチングでは思考のパターンと外界との関わり方にもとづいて、人のタイプを大きく四つに分けています。人や物事を支配していくコントローラー・タイプ、人や物事を促進していくプロモーター・タイプ、全体を支持していくサポーター・タイプ、分析や戦略を立てていくアナライザー・タイプの四つ
⇒自分がどのパターンかを簡単に診断するテストもついてます。
それぞれのパターンに対する対処方法も書いてありますが、この4パターンに分類するという考え方が参考になりました。

 

まとめ
本書でも何度も述べられていますが、昔は上司部下、先輩後輩というのは強制的にだったりとか高圧的にやるべき事を指示し人を動かせていましたが、今はそんな時代ではありません。
そんな時代に人にどう気持ちよく動いてもらうか?
大変役にたつ一冊でした。

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