ミステリーというものはあっと言わせるし掛けがあるものだが、この作家のミステリーはあっとのレベルが違うように思う。
ラットマンというのは、ネズミのようにもおっさんのようにも見える絵のこと。
同じ絵なのに、人の絵と並べてみるとおっさんに見え、動物と並べてみるとネズミにみえる。
そういった精神的な効果をベースに物語をすすめてます。
ミステリーなのでネタばれしないように書きますが、
高校時代からアマチュアバンドを続ける主人公。歳もいよいよ三十路。
年末のライブに向けてスタジオで練習したある日殺人事件に遭遇します。
バンドメンバー間に犯人はいるんじゃないか?
犯人だけではなくメンバー間での恋愛。
いろいろな気持ちがよぎる中、事件は真相に近づいていきます。
過去から呼び起こされる記憶、家族について、仲間について、恋愛について
いろんな事が交錯しつつ、さて犯人は?
最後まで息をつかせず読ませてくれました。
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