配達あかずきん by 大崎 梢 〜書店を舞台としたライトなミステリー【読書記録】

書評

書店を舞台にしたミステリー小説です。
書店で起こる事件?とも思いましたが、なるほどーと、なかなか面白い小説です。
では、紹介しましょう。

読んだのはこちらの本です。

配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)
大崎 梢 東京創元社 2009-03-20
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by ヨメレバ

 

舞台は駅ビルの6Fにあるごくごく普通の書店です。
主な登場人物は、書店に努める杏子と感が鋭いアルバイトの多絵。

本書には5つの事件で構成されています。

最初はタイトルも著者もわからないのに本を探してくれという話。
これは本屋らしい話なのですが、これはまず主人公の書店員さんの推理力を理解してもらうための導入です。そんなことから別のお客様から相談を受けます。それは、そのお客様の近所に住む老人から本の差し入れを頼まれます。ところが、そのメモが意味不明。杏子と多絵が推理を巡らし本を見つけ、そのメモの背景にある事件を見つけるという話です。

次はいなくなった母親を探す女性。その母親が書店の常連であったことから、手がかりを求めに書店にやってきましたが、そこでわかったことは、普段買わないような漫画を買っているということ。そこから推理をたどっていくのだが、どんどん過去に登っていきます。

また、本屋には近所に発売された雑誌を届けるという仕事があります。その配達先の美容院で常連のお客(中年女性)がお気に入りの雑誌を広げるとそこにはなんとその人を盗撮した写真と「ブタはブタ」というマジックのなぐり書きが!
さあ、誰が配達したての雑誌に写真を入れ、なぐり書きをしたのか?
さらに、アルバイトの多絵が駅の階段で突き落とされるという事件も起きます。

他にも本を起点として、様々な起こる謎を推理し解決に導いていく物語が含まれています。
書店ですので、それほど大きな事件ではありませんが、書店という事件が起こらなそうな舞台でも色々なことが起こるものだと感心させらます。

また、本書を読むと書店の仕事の大変さがわかります。
なんとなく、のんびり働いているように見える書店。
でも、毎日届けられる大量の本。現品と納品書の付け合わせ。配達先別に仕分けし、請求書を作る仕事。発売日に開店と同時に買いに来るお客様のために本を並べるなど、短時間にすごい業務量があるということがわかりました。

書店を理解でき、また、本をめぐる推理を楽しめるライトミステリーでした。

 

 

 

 

 

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