「あつあつを召し上がれ」 by 小川 糸 ~ 食べる事を題材にした短編集 【読書記録】

食堂かたつむり の著者である小川 糸さんの短編集
7つの食べ物にまつわる短編が収められています。
ほのぼのとする話から、涙がでてしまった話、ふっと笑ってしまう話など色々
読み終わった後は、気持ちがちょっと穏やかになるような短編集でした。
では、紹介します。

バーバのかき氷

痴呆症で自分の娘も思い出せないおばあちゃん
施設に入ってますが、何も口にしません。そんなおばあちゃんの為に
孫娘がかき氷を買いに走る、ちょっとほのぼのしたお話です。

親父のぶたばら飯

彼女と中華街のお店に食事に行く若者。
その店は若者の親父の思いでの店です。
このエピソードの中に書かれている事で
「結婚するなら一緒に美味しい食事ができる相手が一番いい」って会話
僕もそう思う。
これは、親父さんの遺言なんですが、それに続くお袋さんの意見ってのもまたいいです。
読んでのお楽しみ。

さよなら松茸

変なタイトルですよね。
一緒に住んでいる男女。
彼女の40歳の誕生日に別れる為に能登に旅行に行く話です。
別れが決まった男女の最後の旅行。なんで松茸かはこれも読んでのお楽しみ。
こーちゃんのおみそ汁
この話は読み終わったら涙が出てきて止まらなかったです。
父と娘の二人暮らし。娘は明日結婚し、家を出て行きます。
お嫁に行く前に最後に作ったお味噌汁。
そのお味噌汁は亡くなった母から教わった作り方。
娘になんで味噌汁の作り方を教えたのか?
また、娘が最後に作る時の気持ち。それを食べる父親。
娘を持つ親父として涙が出てきてしまいました。

いとしのハートコロリット

ハートコロリットってなんだかわからないですよね。
それは、オーダーする女性には思いでの食べ物。
それを痴呆症のご主人と作る自分たちの記念日に食べに行く話です。
昔のレストランと違い、バイトのボーイに不満を持ちつつも食事を楽しむ老夫婦。
その最後の落ちは、ふっと笑うような、ドキッとするような、です。

ボルクの晩餐

心中する為にパリに向かうカップル
しかし、そのカップルは男同士。
死ぬ前には最後の贅沢をということで、パリの一流ホテルに泊まり、
美味しい食事を食べに行きます。
その食事を最後に心中に向かっての、色々ドタバタが笑えます。

季節はずれのきりたんぽ

亡くなった父は秋田出身。
生前は年に1回きりたんぽを食べていたので、母と娘が父をしのんで、きりたんぽを食べようとしますが、中々うまくいきません。
天国の父を思い出しながら、あーでもない、こーでもないときりたんぽを作る母娘。
自分も死んだら、妻と娘はちょっとは親父の事を思い出してくれるのかなー、など思ってしまったお話でした。

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