「永遠の0」の著者、百田氏の短編集。
全部で19の短編が収められているが、百田氏の才能に改めて感心させられました。
当たり前ですが、すべての短編が違う話で、独立した19の物語。
それぞれの物語は10分位で読めますが、読んですぐにその物語の背景、シチュエーションが伝わります。
物語はまたたくまに展開し、それぞれのストーリーに引き込まれて行きます。
そして最後の落ち。
ここだけページをめくると1行だけ書いてあるという、にくい演出。
また、この落ちがいいんです。
この落ちを読むとドキッとして、再度ページを戻し、前の状況を確認したくなってしまいます。
すべては紹介できないので2話だけ紹介します。
2話目の「夜の訪問者」
仕事を終え、自宅に帰ると浮気相手の女性が遊びに来ている。
妻との会話に男はどきどき。
しかも帰る段になると妻は送って行けという。
送った別れ際不倫相手は妻について一言。
男は気になって自宅に戻って探ります。
男が自宅で知った事実とは。
最後の落ちが実に効いているのですが、これは読んでのお楽しみ。
「再会」
ある日突然、分かれた夫が職場に。
以前は暴力を奮った元夫。決して会いたくなかったが、すっかり大人しくなって、見かけもほそっりと弱々しい。
そこに心配した上司が。
この上司は実は今つきあっている男性
元夫は、上司との不倫について色々忠告をします。
それも普通なら知らないことばかり。
さて、この元夫に何でこんな事を知っているの。
これまた落ちは言えません。
それぞれの話が読む度にどっきりします。
百田氏の才能をたっぷり感じさせる短編集。
普段の生活にちょっとどきっとしたいシーンを感じたい方
是非読んでみてください。
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