箱根駅伝をめざす若者たち、でもこのシチュエーションはないだろ?
毎年正月2日3日に開催される箱根駅伝
見ている人も多いだろう。
私も毎年見ているし、実際に沿線に行って母校の旗を持って応援したこともある。
箱根駅伝の本番で走っている選手たちはそれこそ陸上エリートたち。
しかし、この物語は陸上なってやったことが無い若者が箱根駅伝をめざすという
ちょっと無理なシチュエーション。
しかもその描き方が面白い。
今時なかなか無い賄い付き下宿、そこが舞台
家賃3万円、賄い付き。当然風呂はなく、トイレ共同
そこに住むのは大学を留年し続けるヘビースモーカー学生、既に司法試験に合格している学生
漫画好きで部屋の床が抜けそうな学生、TVのクイズ番組が好きな学生、などなど個性豊かな
者ばかり。
そこに住む4年生の清瀬くん。先頭の帰りにコンビニで万引きし逃げる若者、蔵原走の走りに惹かれる。
今年の新入生だと知り、また、住まいも決まっていないことから強引に同じ下宿に住ませることに。
清瀬は蔵原の歓迎会で下宿に住む、10人で箱根駅伝をめざす事を宣言。
それぞれ反発しつつも、箱根駅伝に向かって練習することになる。
この物語のどこが面白いか?
この無茶なシチュエーションから箱根駅伝めざすストーリーは面白いのはもちろんです。
進める上では様々な障害が出てきます。そこを清瀬がどう奮い立たせ、チームを引っ張っていくかというのが一番楽しめる点です。
それ以外にも、元々陸上エリートで走るのが好きな蔵原がみんなで走る事で、またチームを引っ張る清瀬をみて色んな気づきを得て気持ちがどんどん変わっていく点。
駅伝本番ではタスキを繋いでいくということの重要性。そこから各メンバーの気持ちの持ち方。
そして、10人で本番に向かうということの大変さと箱根駅伝を走り切るためにはどれだけのサポートが必要かという点。
など、様々なお楽しみがあります。
あと、いつの間にかマネージャーっぽくなった女の子がいるのですが、この娘は箱根駅伝に出る選手の走りの美しさに気がつきます。これはきっと著者も気付いているかもしれません。
私はその美しさには気がついて無いので、来年の駅伝はレース展開ではなく、個々の走り方に注目のして見てみたいと思いました。
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