定年後不安 by 大杉潤 〜 定年とは言わず、45歳からの生き方を教えてくれる本【読書記録】

書評

著者の大杉潤さんとは福岡に単身赴任している時に立花岳士氏(たちさん)のセミナーで知り合いました。
セミナー後も何度かお会いし、私が東京に戻ってからも何度もお会いしています。
大杉さんは57歳でサラリーマン生活に別れを告げ、フリーとして活動中。
その活動は精力的で私自身がロールモデルとして大変参考にさせて頂いている方でもあります。

そんな大杉潤さんが2冊目の著作を出版。早速読んで見ましたが、56歳の私にとっても大変共感できる部分が多く、またもっと早い年齢で読んでおけばよかったと感じさせてくれる本でもありました。では、紹介しましょう。

 

定年後不安 人生100年時代の生き方 (角川新書)

定年後不安 人生100年時代の生き方 (角川新書)

  • 作者:大杉 潤
  • 出版社:KADOKAWA
  • 発売日: 2018-04-07

 

 

前提は人生は100年、そして65歳以降も働くこと

まずはじめにここがポイントです。
今の日本人の平均寿命はおおよそ女性 85歳、男性 81歳だが、
これからますます寿命は伸びて行く。そして、100歳まで生きるとなった時に
定年後に与えられた時間はなんと16万時間。この時間を年金以外の収入がないままでどう乗り切るかという事を前提に本書はどうしたら良いのかということについて語られています。

そして、その解決策は「85歳まで現役で働くこと」と大杉さんは出す結論です。

 

人生100年時代のトリプルキャリア

定年を迎えた時の選択肢が4つあります。

  1. 定年再雇用
  2. 出向・転籍
  3. 転職
  4. 起業

大杉さんは65歳からの人生を考えた時に、実は「定年再雇用」が最もリスクの高い選択。と述べています。では、リスクをとらない働き方が何かと言えば、それは、「雇わない、雇われない働き方」を勧めています。

大杉さんが提案するのが、「定年後の三大不安」である「カネ」「孤独」「健康」の3Kをいっぺんに解決する方法と「85歳まで現役で働く」という事です
そして、そのためにできれば60歳から「定年再雇用」を選ばずに「雇われない働き方」にシフトするという考え方を示しているのです。
本書は そのあとに時間術、コミュニケーション術、情報リテラシー、健康術という4つの視点から100年人生時代の過ごし方について具体的に述べられています。

 

時間術

人生100年時代においては、65歳の壁と75歳の壁が人生において最大のポイントになるそうです。

65歳の壁とは定年再雇用の期限です。ここから新たな仕事を見つけるのは大変厳しいという事です。

75歳の壁とは健康・体力面からくる「移動距離の壁」です。生活および仕事を続ける場合でも、その活動範囲が狭くなることを予め意識しておくことが大切と述べられています。

この点については、私もハッとさせられた面があります。
歳をとってからのんびりと旅でもなんて考えもありましたが、体力的にも厳しくなるし、クルマを運転するのも厳しくなります。そして、見知らぬ環境での食べなれない物を食べる生活。若い時は刺激になっていいのですが、歳をとると辛くなるだろうを思われます。

また、大杉さんはこの二つの壁に加え、「45歳の壁」「55歳の壁」の二つ壁が、のちに訪れる二つの壁の準備をするチャンスのタイミングを述べられています。

45歳は会社の中での自分のゴールが見える時期。55歳は役職定年のタイミングです。

この二つの壁の話がある点が、私は本書は40代後半の方も読んだ方が良いと感じた点です。

 

コミュニケーション術

会社優先で生活してきた方は、定年を契機として人間関係が一気なくなることにショックを受け、「孤独感」に苛まれる人が多いそうです。

そこで、大杉さんは、家庭を第1の場所、職場を第2の場所とすると、第3の場所を作って、そのコミュニティを大切にし、人間関係を広げ育てることを勧めています。そして第3の場所を「サードプレイス」と呼んでいます。

また、新しいコミュニティに入る時には、まず自分と常識、考え方や価値観が違う相手のことを認めることが最も大切と述べられています。

 

情報リテラシー

定年後の期間をいかに充実して過ごせるかは「情報との付き合い方」にかかっているそうです。
それは、知的生活の習慣を持つことが充実した人生のベースになること、また、人間の寿命は「脳の寿命」で決まるとも言われているからだそうです。

そして脳を鍛えるには情報のインプットとアウトプットする事を勧めています

私は本章で書かれている大杉流の「3ステップ・アウトプット法」が具体的で大変役に立ち、早速実践につなげています。

 

健康法

定年後の生活は健康でなければ楽しくありません。
健康法について、大杉さんは

「現役で働き続ける」ことが心身の健康のプラスになり、健康寿命を延ばす決定打になるということです。

健康だから働くのではなく、働くから健康なのです。

と述べられています。
また、本章では、実際に健康を維持するための食事と運動についても具体的なやり方を紹介しています。

 

まとめ

本書は定年後にいきいきと活躍された方のインタビューを通じて大杉さんが感じたこと、また大杉さん自らが実践していることから書かれています。

最後にはそんなインタビューした7名の方の一日のスケジュールを紹介しています。
なんと上は90歳から50代後半の方まで。
みんな現役で働いているのですが、興味深いのは自分のペースで一日を過ごしていること。

定年とかに関わらず、60歳以降もいきいきと暮らして行きたいと考える方にお勧めの一冊です。

 

定年後不安 人生100年時代の生き方 (角川新書)

定年後不安 人生100年時代の生き方 (角川新書)

  • 作者:大杉 潤
  • 出版社:KADOKAWA
  • 発売日: 2018-04-07

 

 

 

 

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