教育現場や心理学の世界で最近急速に広まってきている用語でレジリエンスという言葉がある。
ビジネスの世界ではまだ広がっていないが、強いストレス状況下にありながらも回復して立ち上がれる力がレジリエンス。
今回紹介するのは、ビジネスのシーンにおけるレジリエンスの高い人と低い人の違い。そして、どのような習慣からレジリエンスを高めることができるかという本です。
チャンスに強い人と弱い人
本書では最初に勝負どころに強い人と弱い人の心の状況をいつくかの例を示しています。
- 営業で大口の取引先を引き継ぐとき → 失敗を恐れるあまりうまく振舞える人と無難に切り抜ける人
- ライバル企業が深く入り込んでいる先にいくとき → 諦めてやる気にならない人と、ダメもとで最善を尽くす人
- 前回落ちている資格試験の再試験日が近づいているとき → 不安で勉強が手につかない人と準備に没頭する人
- 上司との相性が悪く、がんばっても正当な評価がされないとき → 腐ってしまう人と淡々と力をつけていく人
などなど。
レジリエンスを下げる人の行動
では、レジリエンスを下げる人はどんな行動をとってしまうのか?
一番目の行動パターンとして、仕事をそつなくこなそうとする人を出しています。それはいけないことなのかと思いますが、そういう人はたとえうまく行かなくても「自分はまだ本気を出していない」と言い訳ができてしまうそうです。
次に挙げているのが、結果を求める人。えっ、結果を追い求めてはいけないとと思ってしまいましたが、勝負処に弱い人は結果にとらわれ失敗を恐れるあまり、気持ちが萎縮しかえって失敗してしまうそうです。
給料や地位、昇進など他社から与えられる評価でがんばる事を外部的動機づけというそうです。
外部的動機づけで動く人は成果を出せないときや評価を伴わない時にモチベーションを低下させてしまうということもあるとのこと。
それ以外に
上司や他人からの指摘に「過剰反応」してしまう。「感情的な反応」をしてしまう。「他責思考」をしてしまうなど。
また、体調不良で休みかちな人もレジリエンスが低いそうでうs。
ここでは、全部あわせて11のNG行動を紹介しています。
レジリエンスの高い人の思考パターン
一方レジリエンスが高い人の思考パターンとして、
- 楽観的思考
- 本当の自己受容ができている
- 目の前の仕事に集中する
- 失敗はつきもとと考える
- 結果を気にせずプロセスを楽しむ
- 「数字」ではなく「具体的な行動」に目をむける
- 結果を自分のせいにする
- 人間関係の問題にまきこまれない
- 日々の生活や仕事に意味を見出す
- 「仕返し」を「見返す」という気持ちに変える
があります。
同じこと、同じ事象を目の前にしても前向きにとらえられるかどうか、そして、前に進むには自分が今できることを精一杯やるという思考が大事だと感じました。
レジリエンスが高い人になる習慣
最後にはレジリエンスが高い人になるにはどのような習慣から作られているかを紹介
私が印象に残っている文を紹介します。
レジリエンスの高い人は、先のことに打算的にとらわれずに、つねに「今、ここ」に集中し、目の前の仕事に没頭する習慣をもっています。
レジリエンスの高い人は職場とプライベートをはっきり区別しています。だから職場にどんなに合わない人やイヤな人がいてもストレスにはならないのです。
面白くすぐ役立ちそうなのが、イラっとした時の対処法。対処法もいくつかあるのですが、その中でも
上司から理不尽な叱責を受けているときでも自分自身について実況中継を心の中でするということです。
これ以外にもどういう習慣がレジリエンスを高めることができるか述べられておりどれも参考になる項目でした。
本書の目次
序章:チャンスに強い人と弱い人は何が違うのか?
第1章:「チャンスに強い人」はレジリエンスと高めている
第2章:「こんな行動」が、あなたのレジリエンスを下げている
第3章:レジリエンスが高い人の思考パターン
第4章:「レジリエンスが高い人」は、「この習慣」によってつくられる
終章:レジリエンスを高める先にあるもの
まとめ
今回、レジリエンスという言葉を始めて知りました。仕事上で高い成果を出す人と出せない人のパターンは自分の職場を見渡してもある程度当てはまると感じます。
自分の中にもレジリエンスの高い部分と低い部分があることに気づいた一冊です。
レジリエンスと高めるための習慣化。日々の生活に活かし、楽しいビジネスライフを送りたいですね。
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