ビジネスシーンで多くみられる商談や会議。
そこでの会話も重要だが、その前後の雑談、上司とのちょっとした会話などの雑談の使い方を教えてくれる本があります。
今回紹介するのは、17歳の時にオンライントレードをはじめ、IT系ベンチャー企業でSEとして勤めたのち24歳で起業した小川晋平氏とシチズン時計で市場最年少の上級顧問に就任し、現在は独立している俣野成敏氏の共著となります。
一流の人はなぜそこまで、雑談にこだわるのか? 一流のこだわりシリーズ
この本のテーマはお金になる雑談です。
雑談については、「ビジネス上の意図を持ってしかけていく非公式のコミュニケーションのすべて」と定義づけています。
雑談はあくまで雑談で意識を持っていない人も多いかもしれませんが、本書では目的と戦略をもって雑談をすることをすすめています。その目的を戦略を持つか持たないかで人生も変わっていくのでは感じさせてくれます。
本書は以下の6部から構成されています。
- 相手の心が開く雑談の基本
- 情報を引き出す質問とあいづちの技術
- 世代差を飛び越える雑談
- 交流会・飲み会が有意義になる雑談
- 社内で有利なポジションをつくる雑談
- 営業が思い通りに進む雑談
なぜ雑談を重要かというと本書のは、会議や営業トークは相手が万全のガード体制をとっている状態、かたや雑談中の相手はノーガードです。 このことで雑談の方が目的を達成しやすいと指摘しています。
ただの世間話をしているようで、実は本人にはゴールへの筋道がいつも見えている状態を戦略的雑談といっており、戦略的な雑談の例として初対面の人と関係性をあげていくステップを紹介しています。
- 初対面のとき 相手との間でどんな価値を生み出せるのか探るために、相手のことを知る
- 関係性が少しできた状態 お互いの欲するものやアイデアを共有しあい、新たな価値を生み出す。
- 関係性が深まった状態 信用を損なわないように意識しながら、お互いの近況をアップデートしあう。
相手のこころを開かせるには、相手のこだわっているものを褒めることが最も簡単かつ有効だと言っています。
こだわっているもの = 相手が時間やお金をかけておこなっているこだわりの部分
一方、気分を害しやすい話題として「家族」についてとも指摘しています。家族については話易そうですが、複雑な家庭背景をもっている人は大勢いるとも指摘しており、どこまで開示するかの線引きが異なると言っており、気をつけなくてと思った部分でした。
質問については、ひとつずつ聞くのが鉄板のルール
質問をして確実に回答を導きだしたいのであれば、「いかに相手が答えやすい質問をするか」を意識することがとても大切。
思考よりアクションを聞く」方が答えやすいというあたりも参考になります。
いっぽうイケてない質問としては答えを言ったところで聞いた本人のためにならない質問をあげています。
たとえば、「背高いですね。何センチですか?」とか「お若いですね。ご結婚はされているのですか」など
一方、イケてる質問とはその答えを聞いて自分を替えるキッカケになるものといっています。
たとえば、「なぜ早起きを始めたのですか?」とか「人生を変えた本でなんですか?」など
このような例以外にも
- 交流会では自分の話をするのではなく、相手の話を聞いてビジネス上の欲求を探り、自分の引き出しのなかから最適なマッチングを実現する。
- 雑談をするときは、自分の専門領域をしっかりとアピールしつつも、それ以外の領域のアピールも忘れないようにしましょう
- プレゼン下手な人ほど説明をして、プレゼン上手な人ほど雑談をする。これが売れるか売れないかの違いです。
など具体的な指摘がたっぷり。
また、最後には著者からの読者への特別プレゼントもあります。
プレゼントの内容は
- 両著者の対談音声
- 経営者がつかっている手土産の情報
- 会話の幅が広がる書籍まとめ
- 10名以上の勉強会・講演会に著者を無料で呼ぶ権利
の4つです。
付録もいいですけど私としては、本書を読んで、雑談を有効に活かしてみたいと感じましたし、
すぐに取り組めそうな内容が満載です。
雑談だけでなく、上司との交渉や社内で自分を有利な立場にもっていくのに必要なノウハウが詰まっている本だと感じた一冊でした。
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