お金持ちの教科書 by  加谷 珪一 【読書記録】

書評

お金持ちになれそうな書き方をしている本はたくさんありますが、
本書はそのようなテクニックを教えてくれる本ではありません。

著者の加谷 氏は日経BPの記者から投資ファンド運用会社に転職し、その後独立。
コンサルティング業務に従事する中で、多くのお金持ちと接し、その考え方や行動原理を学び取りまとめたのが本書です。

 

お金持ちの教科書
加谷珪一 CCCメディアハウス 2014-01-29
売り上げランキング : 13681

by ヨメレバ

 

本書は以下のように構成されています。

  1. お金持ちの実像を知る
  2. お金持ちの行動原理を学ぶ
  3. お金持ちになるために行動する

まず、お金持ちについての定義ですが、お金持ちにあったらまず年収が高い人なのか、資産を持っている人なのか、地位が高いだけでお金を持っていないのかということに注意を払うと色々なことがわかってくると言っています。

お金持ちの基準としては、純金資産を1億円以上保有しているかどうかだそうです。ただ、資生活スタイルは3億円以上の資産を有してやっと富裕層のものになるそうです。

一方、年収ベースでは年収3000万円が境目だそうだです。ただ、2,000万クラスの人は1000万の人と大して違わないらしく、さらに年収1000万の人の家計は、収入が低い人よりもずっと苦しいとも書いてあります。

お金持ちは、ケチと言われることが多いのですが、それは、お金持ちは、どこに金を使うべきかという感覚がふつうの人とは異なっているので、ある部分が一般人から見たらドケチに見えるだけと言っています。

また、お金持ちは人に感謝しないと指摘をしています。これは、金持ちが他人に報いる場合には、「感謝」ではなく「お礼」をするそうです。この違いについてはちょっと驚きます。

そして、お金持ちになった人の多くは、人と違うことをやってお金持ちになっているので、何かと人と違う行動を取るとも言っています。そこで、独自の判断基準が必要となるのですが、その基準が

  • 話の中身を聞かず、人物だけを見る。
  • 数字は人柄を表すから、数字を見れば十分

など、人それぞれのようです。

また、お金持ちは公共交通機関に乗らない人が多い。そしてその理由が単なる贅沢でないところが興味ふかい。また、混雑が嫌いとか、ファーストクラスには乗らないなど。

お金持ちならではの行動原理とそれぞれの理由を紹介しており自分との違いを感じさせてくれます。

 

お金持ちになるためにどう行動するかについては、

まず、お金持ちになるためには、できるだけ多くのチャンスに触れておく必要があり、そのためには、いつもお金の話をすることが重要であると言っています。

そして、お金持ちになりたいなら、安心ではなく安全を望めという一方、リスクはどこかで必ず取らなければならないとも言っております。

 

お金持ちになるための行動原理の例としては、島田紳助氏を取り上げお金持ちになる秘訣を紹介しています。

島田紳助氏は若い頃から収録の合間を見ては投資物件を見ていたそうです。必ず自分の目で見るため、投資物件はTV局の近くの物件ばかり。この100件でも200件でもとにかく自分の目で見ることが大事だそうです。島田氏はそして不動産という資産の基礎を築くことができたそうです。

 

また、年配の人の話はよく聞けと言われていますが、お金持ちになることを考えた場合は年配者の意見は無視しろと言っています。それは、若い人に説教したがる人は、ほとんど実績のない人であり、そのような話を聞いても時間の無駄である。年輩者の話を聞く場合は、事実関係だけをうまく聞き出すことに徹するようにとアドバイスしています。

 

人から話を聞いたり、本で何かを読んだりした時に、そんなこと知ってるよと思うことは多いが、お金に縁のない人ほど、このセリフを口にしがちなのであると言っています。聞き手の側にあまりニーズがないのに繰り返し登場する話には重要な「真理」が含まれている場合が多いそうだ。そして、お金持ちになれる人はこういった「真理」に関する情報を見逃さないそうです。

最後には「小金持ち」でもいいから何とかしたい人へのアドバイス

  • 共働きは必須
  • 夫婦仲が良いことは必須。
  • 車は買うな
  • サイドビジネスで収入を増やす

ということについて紹介し、まとめています。

本書を読むと何をしようというより、お金持ちと自分の考え方の違いを理解するのに役立つ本です。
少しでもお金持ちになりたいと思う方は本書により、お金持ちの行動原理を学んでみてはいかがでしょうか。

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