終活デザインブック by 安藤信平  ~ エンディングノートは人生のカーナビであることがわかった!【読書記録】

書評

著書の安藤氏は大杉潤さんの出版記念パーティーで知り合った方です。

安藤さんは元々JAにお勤めだったのだが、
なんと53歳にてファイナンシャルプランナーとして独立され、
今は、ファイナンシャルプランナーだけでなく職業訓練校での講師など
幅広く活躍されています。

その安藤さんが初めて書かれた本がこちら。

ファイナンシャルプランナーが教える終活デザインブック

ファイナンシャルプランナーが教える終活デザインブック

  • 作者:安藤 信平
  • 出版社:合同フォレスト
  • 発売日: 2017-12-20
安藤さんはサラリーマン時代にお金やライフプランに関する相談を3,000件以上受けてきたそうです。
その中で、終活に関する相談を受けており、多くの場合、「もっと早く相談にきてくれたなら!」と感じていたそうです。
安藤さんは早めの解決策を用意する大切さを伝えたいと言う事から終活コンサルタントとしての活動を始められ、また本書の執筆につながっています。
終活について、安藤さんは車に例えています。
それは、「お金」「病気」「相続」「葬送」の4本のタイヤです。この4本が連動して、車が動くので、溝が浅く空気が少ないタイヤがあれば、スリップしてしまいます。
そして「エンディングノート」はカーナビの役割と位置付けています。
本書は、終活の土台となる「エンディングノート」、そして4本のタイヤとなる4つの項目の紹介で構成されています。

エンディングノートへの考え方には目から鱗が落ちる思い。

エンディングノートというと自分に何かが起こった時に、死後整理しやすいように様々なことを記録するものと認識している人も多いかと思います。私もそうでした。
しかし、安藤さんは別の使い方を提案しています。
  1. エンディングノートの役割と活用方法として次のことを挙げられています。
  2. 自分史として活用する
  3. 抱えている悩みや不安を整理する
  4. 将来を自分自身で準備する
  5. 家族とのコミュニケーションツールにする
  6. 自分らしく生き抜き、人生を丸く収める

 

本書を読むと、私はエンディングノートとはこういう使い方もあるのだと
感心させられてしまいました。

 

驚いた点は、自分が死んだ時見てもらうノートではなく、エンディングノートを自分自身を理解するツールとして使うこと、そしてさらに家族に開示するという点です。
親から子に残したいこと、伝えたいこと、想いを自分の子供と共有するということ
パートナーに見せることで夫婦が同じ方向を見つめることがきっかけなる。
このような使い方があるとは、まさに目から鱗が落ちる思いでした。

老後の財布について

第2章ではお金の点について書かれています。
ここでは特に年金について詳しく書かれています。
家計の現状を把握する方法
財布の体力がどのくらいあるのか?
年金の種類と今からできる老後資金の対策と方法 など。
この項目はファイナンシャルプランナーの安藤さんが最も力を発揮する部分であり、大変わかりやすく書かれています。

医療・介護について

ここでは、まず社会保諸制度の紹介があります。
そして、退職後の健康保険をどうするかなど、その時が来ると大変役に立つ項目です。
また、私にとっては十分できていない介護制度についてもわかりやすく書かれています。
この章は自分がそうなる場合と自分の親に対しても制度及び介護サービスの使い方についてわかりやすく書かれています。

相続について

相続というのは、いざ亡くなってから揉めるところでもあります。
そのため安藤さんは、まずは両親の戸籍謄本を取り寄せ、そこから家系図を作ることをすすめています。

それは、①相続関係を知る ②血縁関係の詳細を知る ③コミュニケーションと連絡網を作る
の3つの理由によるものです。

このことを実施したあとの手続きとして、相続財産の評価方法、保険の活用、正しい生前贈与、正しいアパート経営、信託などについて、ポイントをついた解説により大変わかりやすく紹介されています。

葬儀と埋葬も自分で決める

最後の章になります。自分で決めるというフレーズがいいですね。

まずは事前整理が重要と述べられています。そのために老後の生活空間はシンプルな方が良いとのことです。
また、写真の整理も大事であると述べられています。

 

さらに現代では不可欠なデジタル終活についても紹介されています。
デジタル財産は見えないものが多いのでまずはリストアップすることと、
パソコンやスマホ上のオフライン情報とインターネット上のオンライン情報への仕分けを実施すること
そしてその内容をエンディングノートに書いておくということを薦めています。

 

最後は埋葬について書かれています。
手続きだけでなく、空き家問題、お墓の維持など残された方についての対応など、その時にならないとわからないことへの説明があります。
こういうことはネットで検索しても体系的に書かれていものは中々無いので大変ありがたいですね。

 

本書ではまずはエンディングノートの使い方について、新たな学びがありました。
そして、「お金」「病気」「相続」「葬送」について必要な知識について網羅されており、
また具体的な対応方法について書かれており、今後必要な知識であると感じました。

 

全部を読んでも良いし、必要な時に必要な項目を見る辞書的な使い方もできます。
将来に向けて、事前準備のために読んでみてはいかがでしょうか。

ファイナンシャルプランナーが教える終活デザインブック

ファイナンシャルプランナーが教える終活デザインブック

  • 作者:安藤 信平
  • 出版社:合同フォレスト
  • 発売日: 2017-12-20

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