戦略思考ではなく、戦略的思考はどう違うのか?
本書で教えてくれるのは戦略的思考になります。
戦略的思考は「目標に対して強い思いを抱き、それを実現する人のための思考」と本書のはじめにに書いてありますが、本書はビジネスだけでなく、人生において何かを実現したいと思ったら、どうのように考えるべきかと教えてくれる本です
今回、紹介するのはこちらの本です。
では、紹介しましょう
本書は次のような構成となっています。
第1章 戦略的思考とは「強い想いを実現するための思考」である
第2章 「アウトサイド・イン」で考えよう
第3章 努力に依存しないシナリオを描こう
第4章 理感一致で人を動かそう
第5章 戦略的にロードマップを展開しよう
では、私が特に印象に残った部分を紹介します。
目標までの通過「点」を洗い出して「線」でつなぐ
自分が成し遂げたいとおもっている事と現状にギャップが大きいと、どうしても気持ちは萎えてしまい「いつかやろう」とか「できればいいな」と思考は陥ってしまう人も多いのではないでしょうか?
本書では、「強い想い」の存在は必要だが、そこで立ち止まっては時間を有効活用しているとは言えないと述べています。そこで今はまず次のステップに進むことを進めています。
次のステップに進むという事は「目標」を具体的に描くこと。そして目標は
- ミッション
- 定量目標
- 訂正目標
の3つに分けてとらえ、ミッションを果たすまでの過程に、わかりやすい到達点としても目標(定量目標と定性目標)を設定する。そして目標は「やってできないことはない」というレベルに設定すべきである。とはいえ目標までの道のりは長いので、目標までの通過「点」を洗い出し、これらの点をつないで「線」にしていくことが「目標実現までのシナリオ」であると述べられています。
私はこの目標は「やってできないことはない」というレベルに設定するということが大事だと感じました。
アウトサイドインは、常に目標や結果から逆算する思考
企業でも個人でも何かをやろうとすると人はどうしても現在の立ち位置から物事を考えてしまう傾向があると思います。
本書では、戦略的思想は「ありもの」から考えるプロセスではなく、目標と現状のギャップを解消するうえで不足するリソースに着目し、そのリソースを工夫や調達で埋め合わせる思考である、と述べられています。
つまりアウトサイド・インは常に目標や結果から逆算する思考であるとのことです。
アウトサイド・インの事例としてハーゲンダッツのブランド形成やキーエンスの事例を紹介しており、アウトサイド・インで考える手法としてPEST分析や5フォース分析、3C分析といったマーケティングの手法についても触れられています。
人は「理感一致」でなければ行動しない
戦略を動かす重要なポイント。それは思い通りに人にうごいてもらうということです。
色々考え、戦略をつくってもその戦略に、実際に動く人が納得し、動いてもらわなければ絵にかいた餅になります。
本書では人が動くパターンは
- 恐怖感や責任感から動く
- 達成したい目標があるから動く
- 価値や意味を感じるから動く
の3つに集約されると述べられています。
実際に企業とかで多いのは1と2の使い分けかと思いますが、これは中々つかいにくい。
本質的なアプローチは3となります。
本書では3のアプローチの実践むけたやり方や、抵抗への対策などを具体的に紹介しています。
こういう本を読むと、戦略的思考のやり方だけ学んでしまう事が多いのですが、人を動かすということは私にとっても大変参考となりました。
さて、本書では途中に質問が37問もあります。
この質問について考えるだけで、自分に戦略的思考があるのか?足りない部分は何かということがわかります。
自分だけでなく、組織を動かしたい、人と一緒に何かを成し遂げたいと思った時に考え方を学ぶのに大変参考になる一冊でした。
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