最近、浅田次郎さんの小説を読むことが多くなった。
浅田さんの小説、読んだ後になんか自分の気持ちもほわーんとなるような気がする。
で、今回読んだのが天国までの百マイル
タイトルからするとどんな小説かと思う。
主人公は不動産会社を以前営んでいたが、倒産させた男。
4人兄弟の末っ子で、貧乏な家庭に育ったが、女手ひとつで育った兄弟は商社マン、医者、銀行の支店長の妻と皆、社会的にはそれなりに上手くやっている。
しかし、主人公だけは会社を潰し、妻とは離婚、新宿の飲み屋で働くマリと名乗る女性のもとに転がりなんとかご飯だけは食べれるような生活。
そんな生活の中、母親が重度の心臓病で命が危ない事を知る。
兄弟に連絡するも皆冷たい対応。
病院からも日本では屈指の心臓外科の先生からも見放される。
しかし、千葉の海沿いに素晴らしい腕を持つ医者がいる病院があることを知り、そこに母親を連れていくことに。
兄弟の力を借りずに自分の力で母親を連れて行こうとする主人公。
母親を運ぶことだけでも命がけ。
しかも運んでも命が助かる保証はない。でも運ばないと確実に死んでしまう。
その距離は160km、ちょうど100マイル。
自分の力でだけで母親を運ぼうとするのだが。
一度破産した男が、立ち直れるのか?
別れた妻との関係。
自分たちを育てた母親の知らなかった秘密。
母親を病院に運ぶという中で色々な事がわかってきて、
主人公の中でも気づきがあります。
物語の面白さもありますし、読んだ後はもう一度、自分と家族、親、兄弟というものを考えてみたくなる一冊。
読んだ後の気持ちは心に火が灯る感じ。
ちなみに、私はKindle版で読みました。
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