僕らが毎日やっている最強の読み方 by 池上彰、佐藤優 ~ 知の巨人2人のノウハウがあっという間に学べる【読書記録】

本の表紙の写真 書評

池上彰氏といえは元NHKキャスター、テレビでも様々なニュースをわかりやすく伝えてくれるのでご存知の方も多いだろう。
佐藤優氏については、外務省のラスプーチンと言われ対ロシアでの活動で活躍した外務員。今は作家になるであろうか。

いずれにしても大量の情報を処理して、その結果をまとめ多くの人に伝えることを仕事にしている2人。
その2人が対談形式で一般のビジネスマンが情報を収集するにはどうすればよいかを伝えてくれる本。
では、紹介しましょう。

本書はタイトル通り、この2人が行なっている「読み方」の紹介である。

そして、以下の5つのポイントで2人がどうしているかを教えてくれます。

  1. 新聞の読み方
  2. 雑誌の読み方
  3. ネットの使い方
  4. 書籍の読み方
  5. 教科書・学習参考書の使い方

 

新聞の読み方

新聞の読み方でまず言っていることが、新聞はいまも「世の中を知る」基本かつ最良のツールであるということ。
ただ、昔のように時間をかけて読むことは進めていない。新聞のよいところは、短時間で世の中の様々な出来事を俯瞰できる一覧性だという。
そして、新聞は新聞社によって特色があるので、一紙だけでは危険であるとも語っている。

また、面白いのは「地方紙も読む」ということ。そして地方紙では「死亡広告」「不動産広告」「書籍広告」に注意するということ。この3記事で地区の特性や影響度を知ることができるそうだ。また、地方紙は全国紙と違い、通信社の記事を使うため通信社の記事をカバーできるというのもメリットだそうだ。

ただ、いずれにしても読むのに時間をかけてはいけないという。読み飛ばしが基本で、記事を読むかどうかは見出しとリードで判断し、迷ったら読まなくてよいと言っている。

読んだ記事の保管は2人の差が出て面白い。このあともそうなのだが、全体的に佐藤氏がデジタル派で池上氏の方がアナログなのである。
新聞についても池上氏は気になる記事は切り取って保管、少し寝かしてから判断しファイルするのに対し、佐藤氏はスキャナーでデジタル化し、evernoteで保管するそうだ。

 

雑誌の読み方

雑誌については、デジタルでの定額読み放題サービスが雑誌との付き合い方が大きく変わるという。
この章では、ネットでの功罪についても触れている。
世の中の必要な情報はネットで手に入るという風潮に対し、ネットは興味ある記事だけをクリックしてしまうのに対し、雑誌はきちんと編集・製作されたものであり、それを読んで多様な情報を得たいという。

雑誌については、「週刊誌」「月刊誌」「経済・ビジネス誌」に分けてそれぞれの使い方を紹介している。

週刊誌は「読書人階級のための娯楽」であるが、問題は「情報の真偽」がわからない。なので、信頼のできる書き手の記事を読むのが基本である。
経済・ビジネス誌は特集が書籍よりも情報が早いということ。初動で要点を抑えるのがよい。
月刊誌は論壇カタログ、企画の宝箱として活用です。

また、国際情報誌は日本語版を読むことを進めている。

そして、雑誌についても新聞と同じで「読み飛ばし」が基本と言っており、まとまった時間があれば書籍を読むことを進めている。

 

ネットの使い方

ネットでの情報収集の大原則として、ネットは上級者のメディアであり、情報を選別するにはかなりの知識とスキルが必要。
非常に効率がわるいメディアであり、同じ時間なら書籍や雑誌の方が効率的という。

その大前提もと2人が進める国内サイトを紹介。
ニュースサイトや公式サイトだったりする。また、調べると言うことであれば、辞書・辞典サイトを勧めている。
そして、ネットの使い方として、1日1時間のネット断ちの時間を持つことなど、ネットとの付き合い方を紹介

 

書籍の読み方

書籍の大前提として、世の中を理解するには書籍がベースであり、よい基本書を読んで基礎知識を身に着けることが大事であるということがあります。
その大前提のもと、本章では、「本の選び方」「入門書」「古典」の選び方とおすすめの本を紹介しています。
そして、次に読み方。読み方については、基本書は熟読、読み飛ばす本もはじめとおわりは必ず目を通す読み方を勧めています。そして、効率的な読書には、「仕分け」が大切であり、最後には記憶に残すため、本には線を引き、書き込みをしながら読むそして、読書ノートをすすめています。
読書ノートについても手帳に書く池上氏とevernoteを活用する佐藤氏とアナログ、デジタルについてはそれぞれのようです。
また、読書時間をどうやってつくるかということにも触れており、それには、ネット断ちと酒断ちが重要なポイントとのことです。

 

教科書・学習参考書の使い方

2人とも基礎知識の土台をつくるために教科書を利用することをすすめています。
教科書とは、次世代をになう若者が知っていなければならない知識や思考法が詰めこめられたものだからというのが、その理由です。
特にビジネスパーソンにすすめたいのが、「歴史」「公民」「国語」「英語」だそうです。

歴史を理解するには「世界史A」「日本史A」、公民については、中学校の教科書などむずかしいものよりもわかりやすく体系的に理解できる教科書を進めており、実際2人とも定期的に教科書を買っているようです。

英語取得については、中学教科書の例文丸暗記、国語については、現代文の教科書・学習参考書を使えば、読解力、論理思考力をいっきに鍛えられると述べています。

本書ではあまり難しいものにはとりくまず基本をきっちり押さえること。そこにポイントを置いているように感じました。

 

まとめ

情報収集と伝達が仕事の2人だけに、その情報収集の範囲の広さや量の多さに驚かされた一冊です。
どうやったらこれだけ自分にインプットする時間をつくれるのかという感じです。
ただ、実際に実践している人間がいるのだから、自分にも少しはできるはず。

本書を読んで、私も新聞や本の読み方を替えて挑戦しています。
少しでも2人に近づければと思いますので、同じように情報収集の方法を学びたいという方には是非ご一読をおすすめします。

 

タイトルとURLをコピーしました