【書評】人質カノン

著者:宮部みゆき
文春文庫
7つの短編集
短編といっても一つの話は30ページから50ページある。
それぞれ関連は無く、別々の物語。
やはり宮部みゆきはすごいと思わせます。
共通しているのは登場人物の心の動きを書いているというところか。
人質カノン
深夜のコンビニで強盗にあう話。
そこで出会った中学生、酔っ払ったサラリーマンと人質になる。
人質になりながらも色んな事を考えてしまう。事件後解放された後の気持ちと事件を振り返りながら、真犯人を探してしまう主人公。犯人を探す中でわかった人気の無いコンビニの特異性をうまく描いている
十年計画
自分を裏切った男を十年計画で殺そうと考える。
その考えを伝えるシチュエーションが面白い。
聞かされた方はなんでまた自分にと思ってしまうし、なんでこの場でと
意外性ににやりとさせられてしまう。
過去のない手帳
電車の中で女性雑誌と一緒に手帳を拾ってしまったモラトリアムの学生
手帳の持ち主に返そうとするが、なぜか事件らしきものに巻き込まれてしまう。
女性のなぞに迫る学生。最後はどうなるか?
八月の雪
学校に行けない中学生。
一緒に住んでいるが、ほとんど話しをした事がない祖父が亡くなってしまう。
部屋の片付けでみつけた祖父のメッセージ。
それが何かを探す中で自分を取り戻して行く。
なんで、学校に行けないかはネタバレになるので、読んでみてください
過ぎたこと
ボディーガードの会社に勤めていた主人公。
ある日中学生が自分を守って欲しいと依頼にくる。
本人は受けたがったが当然会社は断る。
気になって気になってしょうがない主人公。
夜電話をしてみるが、繋がらない。さあ、どうなっただろうか?
生者の特権
男に振られ深夜に死ぬところを探していた主人公。
そんな時学校に忍び込もうとする小学生を発見。声をかけると門からすとんと落っこちた。
責任を感じ訳を聞き、一緒に学校へ忍び込む主人公。
夜の学校は怖い。死のうと思っていたのにまだ怖いものがあるなんて。
二人で力を合わせてどうなったか。
濡れる心
せっかく買ったマンション。しかし夫は単身赴任
仕方なく売ろうとするが、オープンハウス当日になぜかマンションが水浸しに
焦る心。今後を考えると少しでも高く売りたいのでどう誤魔化すか。
それなのに、水漏れの原因をつくった上の階の持ち主は涼しい顔。
イライラする気持ち。しかし、ほんとに寂しいのはその上の階の持ち主だった。
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