日本からメジャーに挑戦する為、渡米した野球選手は恵まれた生活をしているんだろう。
だいたいが元々日本ではそれなりに活躍し、そこそこの給料をもらっている選手たちだし。
なんて思っていたが、
そんなのは、イチローや松井、ダルビッシュや田中のような一部の選手だった!
本書はカージナルスで2度ワールドシリーズ優勝経験がある田口壮の奥さん、田口 恵美子さんが著者。
サブタイトルはヨメだけが知る田口壮の挑戦、その舞台裏。
読み出すとその大変さに引き込まれていく。
田口壮は8年間アメリカでのシーズンを過ごす。
スタートはマイナーリーグ。当初はメジャーとマイナーの間を行ったり来たり。
その8年間で家を借りて1ヶ月以上住んだ場所が、22カ所。
すごい、すごすぎる。ほぼ移動の生活。
自分が引越しすることを考えると荷造りも大変だが、電気水道ガスの手続き、銀行の口座の住所変更、などなど、考えただけで嫌になりそう。
そして、試合を観にいくにしてもプラベートジェットなんてあり得ない。
じぶんでクルマを運転していく。
それも片道3時間とか5時間とか。
この移動にも慣れ、日本に帰ってからも関西の実家にクルマで行くのが近く感じる様になったそうだ。
日本とアメリカの違いを教えてくれる
ひとつには、身体の手入れ
マッサージに対する考え方が全く違うそうだ。アメリカだと痛いといったらそこだけ。
しかし、日本では筋肉は繋がっているので、痛いところだけしてもかえって悪くなる事が
あるので、その要因を探り、そこから治していくという違いがあるそうだ。
マイナーの契約では個人でマッサージを雇う訳にもいかず、途中からは奥さんの恵美子さんが
マッサージしたそうだ。
球場に家族を連れて行くのか?
アメリカは基本的には球場には家族がやってきて、野球を観る。
球場には家族シートもあるそう。
しかし、日本は家族はじっとうちで待つスタイル。野球場はあくまで職場という考え方。
アメリカに馴染んだ田口家は日本に戻ってから、だいぶ違和感を感じたそうだ。
また、奥さん会などのエピソードも楽しめる。
苦難を乗り越え結束のかたまる家族
メジャー生活の間、出産、父の師、先程のような引越しの連続。
そんな事から「パニック障害」になってしまう。
シーズン中にも関わらず田口選手が奥さんや子供の面倒を観ながら試合に行ったり、
ここのくだりは泣けてくる。
そんな苦労をしながら、家族としての結束が固まっていったそうだ。
日本にいると活躍したシーンしかみれないがこんな苦労をしたんだなーと。
苦労話っをハラハラしながら聞いている感じの本でした。
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