1万人を見てわかった起業して食える人・食えない人 by  松尾昭仁 【読書記録】

書評

人には二通りの人がいるようです。
起業に向く人、向かない人の2パターン。
本書を読むとそんなことを感じさせてくれます。

本書の著者の松尾昭仁さんは元々人材サービス会社にお勤めだったサラリーマン。
2003年に独立された起業してもう15年になる方である。
セミナー講師から起業コンサル、また自らも23冊の著作を持ち、今は出版を希望する方の出版プロデュースなど多彩な方です。

そのような活動を通じて、1万人以上の起業家や企業予備軍とお会いする中で感じた起業に向く人と向かない人の違い。

本書はその違いについて書かれています。
今回紹介するのはこちらの本です。

 

1万人を見てわかった起業して食える人・食えない人

1万人を見てわかった起業して食える人・食えない人

  • 作者:松尾 昭仁
  • 出版社:日本実業出版社
  • 発売日: 2016-05-28

では、紹介しましょう。

まず、最初に述べられているのが、

起業がうまくいかない最大の理由は、サラリーマン時代の思考と行動原理を引きずったまま行動してしまうことにある。

と述べられています。

では、この起業に向く人と向かない人の違いは何なんでしょう?

本書は

  • 思考法
  • お金の使い方
  • 時間の使い方
  • 勉強法
  • 働き方
  • 人との関わり方

の5つの章に分かれており、各章のテーマに沿って、起業して食える人、食えない人の思考原理・行動原理について具体例をあげて書かれています。

本書を読むと自分が起業家の思考なのか、サラリーマン的な思考なのかがわかります。

 

思考法については、「皆が当たり前だと思うことについて、疑問をもつ」ということを感じました。
それは、食える人は「常に抜け道を探し、近道を歩く」とか「行列を疑う」という項目で書かれています。
また、食える人は「ルールは作った方が有利だと知っている」「枠組み自体を自分でつくってしまう」という点も起業家の発想ですね。サラリーマンはどうしてもルールの中でどうするかと考えがちですので。

 

お金の使い方については、お金も人も「投資」であるという発想がサラリーマンとの違いだと感じさせてくれます。そのことについては、食える人は「他人におごって喜ぶ」とか「形がない情報にお金を使う」ということで表現されています。

 

時間の使い方については、ちょっとした発想の違いなのですが、実践面で役に立つことが書かれています。それは食える人は「混雑時にランチを食べない方法を探す」「事前に予約をとっておく」というところで書かれています。起業家は時間の使い方は自分で決められます。思考法の章でも書かれていますが、ランチは12時に食べなければならないというルールはないのですよね。そのような思考なので、起業家は時間を自分でコントロールしようという発想をする。また、事前予約というもの時間を無駄にしないという思考からの行動です。著者の松尾さんも行きつけの店に事前に電話して10分後に行くのでということでオーダーまでしておくというエピソードも書かれています。
また、移動の手段においても「時間を守る」という基本を守る「本番のことを考えて交通手段を選ぶ」ということをポイントにおいて、移動手段の選び方について起業家の思考法について書かれてします。

 

勉強法についてですが、ここまで読んでくると起業家の思考法に一貫性があることが分かってきます。勉強についても最短経路で必要なことを学ぶ。そのためには実際にそれをやっている人にきく起業の相談は成功している人に聞くビジネス書は全部読まず飛ばし読みし、役に立つと思ったことはすぐに実践するということが書かれています。

 

働き方については、労働そのものではなく、稼ぎや効率に価値を置くという点にハッとさせられます。サラリーマン的な発想ですと、どうしても自分はがんばっているのにとか思ってしまいますからね。それに対し、起業家は「自分はまだまだ」という姿勢で仕事をするそうです。頑張っている姿を見せてもお金が入ってくるわけではないからだそうです。それよりは自分が定めた高い基準をクリアしようと努力するのが起業家ということのようです。

 

最後の章は「人との関わり方」です。ここでは、サラリーマンは八方美人でいることが有効な処世術だが、起業家はお客様を選ぶということを言っています。本章では飲み会についても書かれており、起業家は「仕事に結びつかない飲み会には参加しない」ということを言っています。時間の使い方にも書かれているとおり、時間を無駄にしないということにもつながります。ただ、名刺交換したら次につながるアクションを起こすというのもあります。松尾さん自身も多くのセミナーを開催していますが、懇親会をセットで開催することも多いそうです。しかし懇親会を単なる飲み会と考えさっさと帰るひともいるそうですが、セミナーと同じように懇親会も大事であると伝えています。

 

本書を読むと起業家としての思考法がわかってきます。
また、具体的な行動パターンについては、起業しなくても役に立つことが満載です。
自分の思考法・発想法が起業家向きなのかそうではないのか。
本書を読んで、起業するしないに関わらず、自分自身の思考パターンを振り返ってみてはいかがでしょうか。

 

1万人を見てわかった起業して食える人・食えない人

1万人を見てわかった起業して食える人・食えない人

  • 作者:松尾 昭仁
  • 出版社:日本実業出版社
  • 発売日: 2016-05-28

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