永遠の0と日本人 by 小川榮太郎 【読書記録】

年末に映画「永遠の0」をみました。
あれだけの凝縮された物語をわずか2時間ちょいの映画に圧縮するのは、
かなりきついのではと思いましたが、それなりにまとまり、原作にはある程度忠実に
作られた映画だったかなと思う。
今回読んだ本は
その「永遠の0」と「風立ちぬ」そして「終戦のエンペラー」という昨年封切りされた
3本の映画から特攻ということについて著者の考えを述べている。
著者は昭和42年生まれということもあり、一次資料ではなく、二次資料より自分の考えを整理したと断っているところが立派である。
映画「永遠の0」については、岡田准一について非の打ち所ない名演と讃え、また共演の老優たちがより一層映画を魅力的にしていると語る。
しかし一方、宮部久蔵についての表現として、大事な部分が抜け落ちているという点も指摘。
次に「風立ちぬ」については、零戦を描いている映画の中の世界が「夢」のように美しいすぎるということを指摘している。
この映画からは実際の歴史のきな臭さや戦争の臭いを感じさせること無く、美しい恋の物語にしてしまっったと
「終戦のエンペラー」については、かなり厳しい指摘
俳優やスタッフが戦争についてあまりにも無知なこと、事実を押し曲げていることなどを強く強調。
この映画については私も見てないのでなんとも言えない。
映画3本について、著者の見方を語った後は特攻についての著者の考えを述べている。
なぜ、日本があのような戦術をとったのか。
私自身、よく理解はしていないが、本書を読んで、なるほど、こういう背景もあったのかと
考えさせられる面がある。
ただし、先ほど書いた通り、著者自身も二次資料からの推論であり、私もその通りとすぐにうなづく訳にもいかないので、興味を持った人は是非読んでみてはいかがだろうか。
いずれにしても映画 「永遠の0」と「風立ちぬ」に対する見方はより深まった一冊であった。

 

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