60歳で定年を迎えるサラリーマン。
その後65歳まで再雇用制度があるものの、実際には60歳で社会から葬られるという現状から、
その60歳の壁を打ち破り、力を存分に発揮するにはどうすればいいのか
という本を紹介します。
本書の著者 植田氏は1957年生まれの方です。
元々銀行員をのち、いくつかの外資系企業に勤務するかたらわ50歳間近にしてロースクールに通い、司法試験に合格されます。
そして54歳にして独立し弁護士事務所を始められた方です。
今回初回するのはこちらの本です。
本書では、まず最初に
60歳、65歳の壁を打ち破って現役を続けるためには、自分ひとりの力で何らかの仕事立ち上げるしかない。 と述べられています。
そして、60歳の壁を超えてきた人の特徴を
- 組織に頼らず自分ひとりで生きていく覚悟を持っている
- 人を大事にする
- ビジョンとそれを実現できるスキルを持っている
- 決断力があり、実行力があること
- 勉強熱心だということ
- 皆明るく健康で、いかにも元気そうであること
このあとには、60歳の壁を打ち破れない6つのタイプを紹介しています。
そして、このタイプにどれか当てはまるを思った人はそれを変えないと60歳の壁にはね返されるので、壁の向こうに行こうと思うなら、自分自身を変えていかないといけないと述べられています。
最初に、このように60歳の壁について説明されたあと、
本書の主題である、その壁を超えるための手段を次の手順で紹介しています。
- Mindset :気持ちをリセットする
- Strategy:80歳までの戦略を構築する
- Execution:確実に実行する
- Presentation:自分の見せ方を工夫する
- Intelligence:必要な情報をつかむ
- Strength:現役を続ける心と体の作り方
私が本書を読んで特に、参考になったのは
- 新しい人脈の作り方
- 自分の専門分野をみつける方法の考え方
- 自分の見せ方の工夫
- 情報のつかみ方
の4点です。
人脈については、
多くの人が、大企業の時の取引先が自分のクライアントになってくれるのではないかと思い、営業をかける。これは間違い。
と述べられています。
では、過去の人脈にたよらずにどうやって新しい人脈をつくるのか?
著者は様々な交流会の活用を薦めています。しかし、交流会で知り合った方にすぐ営業をかけるのはそれはそれでダメであるとも言っており、大事なことは知り合った方を信頼関係をつくることと述べられています。
自分の専門分野の見つけ方については、
自分の過去のキャリアから専門分野を作り出すのである。
と述べられています。
このことは転職活動でも重要です。
多くのサラリーマンは自分の仕事は会社の中だから通用したのであって、それほどの強みはないと思われているのではないでしょうか?
しかし、そこで培ってきたことはそのノウハウを欲しいという企業もあり、本人は大したことがないと思っていても、価値がある場合があります。
私自身転職活動の中ではそのように思っていましたが、突き詰めていくうちに段々そのように感じてきたことです。
自分の見せ方については、二つのポイントがありました。
ひとつは、投資資金に余裕があるなら、しかるべき場所に事務所を構えることをお勧めすると述べられている点。
多くの定年後独立本では、事務所など固定費がかかるもの対しては費用をかけるべきでないと書かれています。
本書の著者は弁護士として独立されたこともあり、きちんとした事務所を構えられたのですが、一概に事務所費用をかけるべきでないという考え方だけでなく、このような考えもあるというのは参考になりました。
もう一つのポイントは60歳で仕事を立ち上げる人は独立一年生であるということ。
一年生は一年生らしく振舞うべきという点です。
私もサラリーマン時代に独立した先輩方と多く接しましたが、うまくいっている人は先輩風を吹かさず、腰の低い方ばかりでした。
また見た目も大事で、きちっとした服装をする、日ごろからの身だしなみを整えるという基本は大事であると感じます。
情報のつかみ方については、
普段からいかに新聞から情報を掴むかという点が参考になりました。
著者はインターネットから速報性のあるニュースばかり読んでも知識は身に着かないと述べられ、紙の新聞から情報をとり、その背景なども考えるやり方を紹介しています。
ただ、著者はインターネットを否定している訳ではなく、情報収集や発信などインターネットを活用しないとだめだとも述べられています。
本書のまとめとして、著者は60歳の壁を破ることに取り組まない理由はいくつでもあると述べられています。
しかし、この壁を越えないとずっと不機嫌な日々を過ごすことになってしまうであろうと。
そこで、一日も早く「やる人」になって自分の仕事を立ち上げてほしいと述べられています。
本書は60歳定年後もまだまだ活躍したいと考えている方にとって、
では、どうすればよいのかということを教えてくれる本です。
そんな方は一度参考にしてみてはいかがでしょうか?
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