侠飯(おとこめし) by 福澤 徹三 ~ ヤクザをかくまった大学生、その生活は人生の大事なことを教えてくれる

主人公は都内4流大学に通う大学生。4年生になるというのに卒業前の12月になっても就職がきまらない。

そんな大学生が暴力団の抗争に巻きこまれ、命を助けてくれたヤクザをかくまうために同居するという話である。

この小説の面白さはそのヤクザのキャラクター設定と自分がどうしたいかわからず日々流されている大学生が人生に必要なことをヤクザに教わっていくことである。

そのヤクザのキャラクター設定とは、

 

暴力団だがきれい好き

大学生の部屋は部屋の足の踏み場も無いほどちらかっており、流しにはいつ食べたかわからない食器が山積み。

このヤクザは大のきれい好き。かくまったはずなのに、早速部屋の掃除を命ぜられたり、食器の洗い方を教わったりする。

 

ごはんはヤクザがつくる

さらにこのヤクザは料理好き。基本的なお米の研ぎ方から炊き方、味噌汁の作り方までこだわり、さらには調味料にこだわり素材の味をひきだした美味しい料理をつくる。

ここに書かれている料理の作り方は独身者や単身赴任者にとってもとても役立つ内容です。

 

ヤクザに説教をくらう

ヤクザは大学生が就職が決まったら部屋を出て行くと約束する。しかし、就職は中々決まらない。

そんな大学生への一言

おまえは勉強が嫌いなくせに大学生になった。そしていま、仕事が嫌いなくせに就職しようとしている。いっぱしに自分の考えがあるつもりで、結局まわりに流されているだけだ。

この言葉に自分は将来のことを考えていると反発するが、帰ってきた答えが

あしたという日が永遠にこないように、将来も未来もない。あしたになれば、きょうになる。きょうになっても、あるのは今だけだ

おまえが変わるしかない。おまえが今をかえるんだ。

こんな言葉を受けて、面接にいくが面接先でも履歴書をみせただけで業界に向いていないと厳しい言葉を言われヤクザに言われた言葉があとからズンズン効いてくる。

と、いうことでヤクザとの同居は続くわけだが、最後には別れの時がくる。

結末まではらはらしつつ、大学生の心の成長もあり、楽しく役に立つ一冊でした。

 

 

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