1991年に始まったアジアフォーカス・福岡国際映画祭は今年で26回目
毎年9月のシルバーウィークの頃に開催される。
私も福岡に来てから2012年、2013年、2014年と3回ほど観ている。昨年は予定があわずいけなかったので今年の参加を楽しみにしていた。
本映画祭での上映作品は日本初公開のものがほとんど。また、毎年の特集があり今年は「ベトナム特集」であった。
さて、今年はどんな映画を見たのか。早速紹介しよう。
チケットは3種類。前売りがお得
チケットは1作品券、5作品券、フリーパス券の3種類。
私は前売りの5作品券を購入。¥4,400なので、1作品あたりなんと¥880である。
フリーパス券が¥11,000なので、13作品以上みないとフリーパス券より、5作品券と1作品券の組み合わせの方がお得である。
イベントの開催期間は9月15日から25日の10日間。ただ、1作品あたりの上映回数は期間中2回~3回なので、うまくスケジュールしないと観たい作品を観れないのである。
私は3連休の3日間で2本、1本、2本と計画を立てたのだが、期間中に風邪で寝込んでしまったこともあり、予定が狂い、結局4本を鑑賞。前売り券を1枚使わずに終わってしまったのが残念である。
▼ 当日配布の無料のパンフレットと前売りチケットの残り
ベトナム特集から2作品を鑑賞
まず観たのは2009年の作品。 「漂うがごとく」
主人公のズェンはまだ若い女性。2歳年下のハイと出会って3ヶ月で結婚。ハイはまだ20歳くらいであろうか。
職業はタクシー運転手。映画は結婚式の2次会っぽいシチュエーションでハイが徹底的に飲まされつぶれてしまうところから始まる。
ハイの母親は息子が嫁に取れるのがいやなのか、介抱につとめ、ズェンには仕事から帰っても寝かせておやりと指導。いざ結婚生活が始まっても特に夫婦らしい生活はない。
そんなある日、ズェンは友達の紹介で年上の旅行代理店を経営する年上の男性に出会ってしまい段々惹かれていってしまう。
この映画の舞台はおそらくハノイ。生活のため一生懸命生きる若い二人。そしてハイは一生懸命仕事をするもギャンブルなど怪しい世界にひかれ、ズェンは年上の男に惹かれていく、若い心情を描いている作品だった。
日本語タイトル | 漂うがごとく |
英語タイトル | Adrift |
製作 | 2009年 |
製作国 | ベトナム |
上映時間 | 100分 |
監督 | ブイ・タク・チュエン |
2作目に観たのは「どこでもないところで羽ばたいて」
こちらは1作目よりすごかったー。
こちらも舞台はハノイ。田舎からでてた女子大生フエン。なんと彼女は妊娠してしまうのである。
中絶するには費用はない。奨学金が出るのを待ちおかゆをすする生活。
彼氏は中絶費用を出すといっているが奨学金をあてにし、一攫千金を夢見て違法の闘鶏に手をだすだめな男。
結局闘鶏で負け、ぼこぼこにされフエンの部屋に忍び込みお金を盗み逃亡してしまう。
どこの国でもそうだが、女はなぜこういう男に惹かれてしまうのだろう。
しょうがなく、フエンはデート倶楽部に登録する。
中絶を迷う気持ちが痛々しいフエン。結局迷っている間に合わない時期がきてしまう。
妊娠、中絶、違法ギャンブル、ゲイ、デート倶楽部、貧富の差など2014年の作品なので、今のベトナムで起こっている事を描いているのだろうと思われる作品。重かったー。
日本語タイトル | どこでもないところで羽ばたいて |
英語タイトル | Flapping in the Middle of Nowhere |
製作 | 2014年 |
製作国 | ベトナム・仏・ノルウェー・独 |
上映時間 | 98分 |
監督 | グエン・ホアン・ディエップ |
両作品とも一攫千金をめざし、闘鶏での違法ギャンブルに夢中になる人物が登場。おそらくベトナムではこんな闘鶏に夢中になる人がいるのであろう。
香港映画は懐かしさを感じさせる作品
アジア映画を観るときには香港映画や台湾映画の恋愛ものを私はこのんで観る。なんかほのぼのとした気持ちにさせてくれるからである。
そこで今回選んだのは香港映画の「あの時に思いを」
舞台はふるーい写真館。 そこで写真を撮って生活をする独身の男と高校の同級生で不動産ブローカーの男が写真館を売ってくれとやってくる。そこでの物語りをベースに生まれた時から父親と別れて暮らしていた娘が父親と過ごす物語、映画で競演する俳優、女優は恋人通しだったが、今は別れ話の真っ最中。などのストーリーが平行して進んでいく。
それぞれのストーリーのポイントは1枚の写真だったりする。
返還から20年。人の心の変化と街の変化を感じさせてくれる作品。特に香港の街も変わってきたなーと強く感じた。
日本語タイトル | あの時に思いを |
英語タイトル | The Moment |
製作 | 2016年 |
製作国 | 香港 |
上映時間 | 88分 |
監督 | ウォン・クォッファイ |
映画祭の魅力のひとつが監督や出演している俳優さんや女優さんが挨拶にくること。
本作品の時も挨拶に来られていた
初めてのインドネシア映画
風邪で寝込んだ関係もあり、予定が大幅にくるってしまった。そんな中、どうにか観れた自分にとっての最後の1作がインドネシア映画の「再会の時~ビューティフル・デイズ2~」
サブタイトルに2とあるくらいだから1もあるのだろうと思ったら、元は2002年の作品なので、14年ぶりの続編だそうだ。
当時は高校生の物語だったそうだが、今は30歳を超えている。主は結婚を控えた女性を中心に女友達同士4人が旅行にでかけるのだが、そこでたまたま当時つきあっていた彼氏にあってしまう。
彼氏の方は今はニューヨークでカフェを経営。本作品はニューヨークとインドネシアが舞台になるのであるが、画像の色合いが非常に私好みで、物語自体もシンプルでわかりやすい。またインドネシアの人達ってこんな生活なんだっていうのがわかり、たまたま観れたにも関わらず、私としては今年観た中では本作品が一番よい印象であった。
日本語タイトル | 再会の時 ~ ビューティフルデイズ2 ~ |
英語タイトル | What’s With Love 2 |
製作 | 2016年 |
製作国 | インドネシア |
上映時間 | 125分 |
監督 | リリ・リザ |
まとめ
福岡に来てこの映画祭を楽しみにしているのは、やはり新しい「今」のアジアに触れることができるからである。
毎回見るたびに各国の生活風景などに驚かされ、また今のそれぞれの国が抱えている問題を描いているように感じる。
そして、日本もそうであったようにその生活習慣もだんだん西洋化しているとも感じる。
また、今後も福岡で観られる機会があるなら継続して観ていきたいと思う。
アジアフォーカス・福岡国際映画祭 公式HPはこちら
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