【書評】日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方 by 山本敏行

リンクアンドモチベーションの組織診断で2年連続日本一、社員満足度が高い会社に認定された会社があります。

大阪に本社を構えるECスタジオ社です。

本書はこの会社の創業者であり、社長の山本氏がどのような施策を打ち社員満足度を高めたかを紹介している本です。

 

創業当初、会社は発展するが社員は辞めていく

インターネットと出会い衝撃を受け、「インターネットで何かしたい!」と思って会社を立ち上げた山本氏。

創業当初はどんどんお客さまも増え、1,000社を超える状況に。当初は仕事を増やして儲かれば社員も喜ぶだろうという感覚だったそうです。しかし、創業メンバーが次々に辞めていく状態でついには営業活動がまともにまわらず崩壊に危機にあいます。

山本氏は1,000人の経営者に教えを請うことにします。そして、うまく行っている経営者の話には共通点があることに気付くのです。

  1. 社員のために自分の時間を使っている
  2. 社員についての愚痴や不満を言わない。
  3. 自分の会社、自分の会社のことを楽しそうに話す。

そこで山本氏は、社員満足を第一とする「社員第一主義経営」を掲げ会社の舵をきっていくことにしたのです。

では、そのノウハウとはどんなものでしょう。

 

本書の構成と各章のポイント紹介

本書は以下の構成となっています。

第1章 「社員第一主義」の非常識な働き方

第2章 社員の満足度がアップする非常識な制度

第3章 小さな会社が成功するための非常識な戦略

第4章 小さな会社の利益を増やす3つのIT戦略

第5章 モチベーションと利益が劇的に高まるITツール活用法

 

第1章では書かれている非常式な働き方のポイントは顧客に会わない、電話を受けないという点でしょう。電話を受けないことで社内には電話がありません。そのため、社員は電話対応に追われないので業務に集中できます。ここで書かれているのが、

全国の中小企業に品質が高く安いサービスを提供するにはどうしたらよいかと考え、出した答えが「顧客に会わない」「電話を受けない」という方針です。ホームページのみで営業し、サポートコストを抑えるためにメールサポートのみに限定しました

ということです。

第2章では様々な制度を紹介しています。ここのポイントは社員の意見を聞き、よい意見は会社の制度として取り込んでいくということです。まず社員の意見を聞くために、ランチトーク制度というものがあります。これは月に1回上司とのランチ代を補助するというものです。面談というと堅苦しくなりますが、ランチを食べながらですと気軽に色々な話ができるようです。また、両親が遠隔地にお住まいの場合は、帰省旅費を支援したり、会社近所の食事できる店で利用できる食券と作ったりなど多くの工夫をしています。

そして、社員のアンケートでも大きいのが、iPhone支給制度。この本が書かれた2011年はまだまだスマホが普及していない状態。そんな時期でのこの支給制度は満足度を多いに高めたようです。契約は個人で会社は費用を支給するかたちですが、会社で費用負担するので、もちろんiPhoneを使った業務効率向上にも活用しているのです。

 

第3章はブログやTwitterなどの活用する戦略。それと面白いのがこだわり戦略。ECスタジオではE(1)、C(4)ということで1と4にこだわることで、数字を決める理由がスムーズになったそうです。たとえば、組織は1人のマネージャーにつき、4人のリーダー、1人のリーダーに4人の部下とか、新サービスのリリースは毎月14日14時などです。

 

第4章はITの活用です。

最初に書かれていることが、

社員が頑張る→利益が増える→給料が増える→モチベーションが上がるという好循環のスパイラルを起こす必要があります。

これをITを活用していかに実現するかが第4章のポイントです。

まずはウェブサイトは24時間働く営業マンということ。なので営業マン1人分の給料以上は投資することを進めています。

それと自分自身でもブログを書いていて感じるのが、

ウェブサイトへの集客のほとんどは検索エンジンを介して入ってきます。その検索エンジンからの流入を増やす対策として最も効果的なツールの1つがブログです。

ESスタジオもブログ記事を活用しています。それ以外にもYouTubeやユーストリームなどの動画配信を活用し、オンラインセミナーを実現することで毎回数件の受注につなげているそうです。

ここまでは売り上げ拡大に対してのIT戦略ですが、もうひとつが生産性をあげてコストを下げるということ。

抑えても同じ対価しか得られないコストは徹底的に削減します。

との方針からたとえば家賃など利益を生み出さないコストは徹底的に抑える。しかし、

社員が仕事に集中できる環境を作るのが経営幹部の仕事です。

という考えから仕事環境には投資をします。たとえばパソコンはレンタルにし2年に1回は入れ替える。モニターはダブルディスプレイ、トリプルディスプレイにするなどです。

 

第5章では具体的なITの活用について書かれています。

まずは業務をクラウド化するということで、社内の資料はグーグルアップスを活用。メールはGメール。グーグルカレンダーでスケジュールを共有などです。社内資料についてはグーグルドキュメントでクラウド上で同時編集するなどの取り組みをし、マイクロソフトオフィスを使っていません。

また、商談や会議などでは参加できない人との情報共有には動画で撮ってグーグルビデオにアップするなどの取り組みをしています。

そして、社内の資料をすべてデジタル化することで、会社が支給するiPhoneでの情報共有などに活用しているのです。

 

まとめ

ITの活用については、PlayStationを使ったテレビ会議システムやPowerpointは使わず、MindManagerでアイディアや意見をまとめるなどのノウハウが掲載。

そして、Kindle版にはiPhone/Androidの超厳選アプリ24も紹介されています。今まで気付かない視点でのアプリもあり参考になります。

社員の満足度をあげる取り組みは感心するばかり。こんな会社で働きたくなりますね。

私としては生産性をあげるためのITの活用の工夫が大変参考になる一冊でした。

 

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