著者の大杉潤氏は元々は日本興業銀行にお勤めのサラリーマン。
その後、いくつかの企業に勤められ役員なども経験されたのち、2015年にフリーとなり活動されている方です。
私とはプロブロガー 立花岳志 氏の福岡のセミナーで知り合い、その後も何度かお会いしている方である。
その大杉氏であるが、なんと毎日1冊の本を読み、毎日書評をブログにアップされているのです。
大杉潤さんのブログはこちら
ビジネス書10000冊から答えを見つけて、仕事の悩みを解決します!
特に読書については入社1年目から毎日1冊の本を読み続けたという。
その年数はなんと、35年間!!
累計10,000冊以上の本を読まれているのである。
それだけ本を読まれた大杉氏は、人の悩みに対し、解決にむけてその人にあった本「メンター原書」を見つけるというすぐれた能力を持たれた方なのである。
本書はその能力を活かし、入社3年目までの若手社員の37種の悩みに対し、これまで読まれた本の中から適切なフレーズと大杉氏の豊富な経験からのアドバイスを贈る本なのである。
37種の悩みは次の7つに分類され、それぞれ章ごとに分けられている
その悩みとは、
- 「仕事の基礎」に関する悩み
- 「人間関係」に関する悩み
- 「時間術とワークライフバランス」に関する悩み
- 「心身の健康管理」に関する悩み
- 「キャリア」に関する悩み
- 「願望実現」に関する悩み
- その他の悩み
そしてこの7つの悩みの中に若手社員からのいくつかの質問が含まれている。
大杉氏はそれぞれの質問に対し、4冊の本からの適切なフレーズを使い答えていくのである。
質問に対し、4冊の本を選択するのでも大変なのに、大杉氏はその本の中のフレーズを切り出していくのであるからすごい。
読書量だけでなく、普段の読書において重要な箇所をピックアップする能力に秀でているのであろうと思われる。
たとえば、第1章の「仕事の基礎」に関する悩みの中にノートの効果的な使い方がよくわからない という質問がある。
大杉氏はあくまでこうしなさいとは回答はしない。ただ、ノートの使い方として、
- 「結果を出す人はノートに何を書いているのか 美崎栄一郎 著 による3冊のノートを使うやり方。
- 情報は1冊のノートにまとめなさい 奥野宣之 著 による1冊のノートで情報整理するやり方
- 頭がいい人はなぜ、方眼ノートをつかうのか? 高橋政史 著 によるノートの書き方
- 仕事スピード・質が劇的に上がるすごいメモ 小西利行 著による メモの使い方
を紹介することで自分にあったノートの使い方を見つけることを薦めるのである。
このようにアドバイスされると、アドバイスを受ける側は1冊の本の情報だけを信じるのではなく、自分にあったやり方を見つけるためこの4冊を読んでみようと思うであろう。
この本は、仕事の悩みをかかえた若手社員はもちろん、若手社員にアドバイスをする立場の人間にも役にたちます。
さらには本を読む際、重要な部分を抽出し記憶に残すという大杉氏の読書術にも大いに刺激をうけました。
本書は大杉氏の初出版の本。しかし、初出版とは思えないほど、これまでのノウハウの詰まった1冊です。
若手社員だけでなく、先輩社員、ベテラン社員またこれから入社する息子娘をもつご両親の方などにお勧めの一冊です。
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