最近会社に入社する新人たち。ちょうど娘や息子と同じ年頃でもある。
会話していると自分達のモチベーションがあがるとか上がらないという発言が多々感じられる。
彼ははどんなモチベーションで仕事をしているのか?
その一部分がちょっと理解できそうな本がありましたので紹介します。
モチベーションの源泉が世代間によって分かれいます。
団塊の世代より10年以上も前の世代から我々の世代は、
お金を稼ぎたい、広い家を建てたい、いいクルマを買いたい、きれいな女性を抱きたい。
というような欲望への飢餓感と上昇志向とともに成り上がってきました。
ところが、今の30代以下は全く異なる価値観を持っているそうです。
生まれた頃から何もかも揃っていた世代。
埋めるべく空白がない世代。生まれた時が「ないもの」がない。
だから何かが欲しいと「乾けない」本書ではそのような世代を「乾けない世代」と呼んでいます。
「乾けない世代」は、「意味合い」「良好な人間関係」「没頭」を重視するそうです。
何か大きな目標を達成するため、「身体的、心理的、社会的な快楽」を味わうことのためだけに、一心不乱に頑張ることはできない。
それよりも、「自分が頑張る意味が持てるもの」に「自分が好きな人たち」と「とことんハマる」ことを重要視するのが「乾けない世代」だそうです。
本書は次の4章で構成されています。
- 「乾けない世代」とは何か?
- 偏愛こそが人間の価値になる。
- 異なる「強み」を掛け算する最強のチームの作り方
- 個人の働き方
乾けない世代とは?
まず、30代以下の「乾けない世代」にとって、最も犠牲にしたくないものが「自分の時間」だそうです。
出世のために付き合いの飲み会に連れて行かれるくらいなら、出世なんてしなくていいから、家族と温かいご飯を食べたい、気の許せる友人と楽しく過ごしたい。趣味の時間を充実させたいと考える世代。
そんな世代の代表としてフェイスブックのザッカーバーグ夫妻を取り上げています。
彼らを「金銭的な快楽」よりも「意味合い」を大事にする世代の代表として紹介しています。
「乾いた世代」にとってはザッカーバーグ夫妻のように、右向け右で、固定された目標に向かって歯をくいしばって頑張る人よりも、好きなことに夢中でいつも楽しそうな人のほうが、魅力的になっていきます。
今は、好きなことで楽しそうに仕事をしている人のもとには、自然と、お金や人が集まってくる時代になってきているのです。
「乾けない世代」は、「良好な人間関係」や「意味合い」を重視する人が非常に多いのが特徴だそうです。
偏愛ということは?
これからは「他人から見れば非効率かもしれないけれど、私はどうしてもこれをやりたい」という、偏愛とも言える嗜好性を、個人が大事に育て、それをビジネスに変えていけるかが資本になっていく。と述べています。
そして、この変化に富んだ時代を生き抜くには、3つの生き方があるといっています。
ひとつめは変化していくことをチャンスと捉えて、ずっと最先端を走り続ける生き方。
2つめは、宮大工のように、伝統職のなかで、コツコツと働く生き方。
3つめは、永遠のフリーターを楽しむ生き方です。だそうです。
最強チームの作り方
みんなが一致団結して同じ目標を目指していく時代では、リーダーが決めたことをひたすら守り、決められた目標をきっちり「達成」していくことが求められていました。
しかし、時代は変化することが当たり前となりました。
明日がどうなるか分からない昨今では、四方八方から、常に柔軟な対応が求められます。
組織が柔軟な対応をするためには、チームメンバーは同じような性質ではなく、それぞれ異なる得意分野を持ったメンバーであるほうがいいと述べています。
そして、自分の凹凸を把握し、チームメンバーと共有する方法として、
- ストレングス・ファインダー
- 偏愛マップを書き出す
- 自分のトリセツ(取り扱い説明書)を書く
と言う3つの方法を紹介しています。
個人の働き方について
これまでの時代はほとんどの人が仕方なくオンの時とオフを切り替えてきたが、「好き」を仕事にするということは、オンもオフもないということでもあると述べています。
自分のなかの「好き」や「歪み」をどうやって育てていけばいいのか?
それは、まずはアウトプットを目的とせずに、ただひたすら「没頭」することと言っています。
そして、「ライフワーク」の部分を広げていくには、まず自分のなかで「ライスワーク」と「ライフワーク」を明確に使い分けることが大事です。帰宅後や週末になったら「ここからはライフワークの時間だ」と切り替え、好きなことや自分が得意なことに時間を投資し、磨いていくことだそうです。。
新社会人になる方へのメッセージ
それは、まずは目の前の仕事をひたすらにこなし、集中することを優先するということ。
「この人にはお金を払ってもいい」と会社に思ってもらえるだけの仕事をすることをまずがんばることを勧めています。
好きな事で生きる前にまず自分が食べていける足場をつくり、それから「ライフワーク」を磨いていけばいいといっています。
そして「生きがい」を磨く行きかたは、はじめはちょっと孤独だが、信じて貫けば同じ高みを目指す人との出会いがはじまち、本当の意味での「仲間」が増えていくとのことです。
本書は最後に新社会へのメッセージがあることからかも若者向けにあなた達の働き方は、という事を整理して伝えようとしているのかもしれませんが、若手社員をかかける中高年にとっても若手を理解するのに大変役立つ内容でした。
若手が理解できないという方も一度本書を手にとってはいかがでしょうか。
コメント