投信を運用する投資家が日本の未来について投げかける本があります。
著者の藤野氏は日本の成長企業に投資する「ひふみ投信」を運用する投資会社を立ち上げ、経営されている方です。
そして、本書は私が参加する読書会「3B」の9月度のテーマ本だったのが読むきっかけとなりました。
では、さっそく紹介しましょう。
まず、今回紹介するのはこちらの本です。
タイトルにもありますが、GG資本主義とはいったい何のことだと思いますか?
インパクトあるテーマにするためかどうかはわかりませんが、著者は第1章からインパクトのある表現をされています。
まず、
日本の高齢化問題は、「みんなの成長」をじゃましているみたいです。
と述べられ、
上の世代が、何時までたっても重要ポストに居座り、企業をはじめあらゆる場面で新陳代謝が起きにくくなっている。その結果、若い人たちが力を発揮する場所が一向に増えず、社会に新しい価値観が根付かない
という、社会現象を「GG資本主義」と著者が名付けたのです。
実際にGG資本主義の事例としていくつかの大企業で起こっている事象を紹介しています。
ただ、この後著者が述べているのは、日本政府も企業の成長を阻害するさまざまな要因に向きあおうとしており、GG資本主義にもメスが入れられようとしているので、「今こそがチャンス」と述べ、次の章からはこれからについて述べられています。
まず、著者は投資ファンドを運用するだけあって、投資文化を根付かせたいということを話されています。
投資に対しては、これまでの金融の世界が変わりつつあること。
それはどんなことかというと「顧客都合より、自己都合」がまかり通ってきた世界。
この実態に政府が手を打ちつつあることや、つみたてNISAに期待していることなどが述べられています。
次には、働き方変革による未来について述べられています。
著者は
そもそも「日本人がまじめで働き者」というイメージが実態と違っている。
とまず述べられており、様々な調査結果からなぜ、そう思うのかを紹介しています。
そして、働らくことを楽しむことやモノやサービスを提供する人には「ありがとう」ということを提案しています。
さらに、もっと仕事を楽しむするために「”虎”になる生き方」ということを紹介しています。
この章は実に面白かったです。
虎になる生き方を3つに分類しています。
それは、「ベンチャーの虎」「ヤンキーの虎」「社員の虎」の3つです。
その中でもサラリーマンとして虎になる、社員の虎では実際の事例も上げており、サラリーマンの方には参考になる生き方だと感じました。
著者はサラリーマンとしての虎をトラリーマンと称しています。
そしてトラリーマンになるには一定の法則があり、その法則を以下のように3か条として述べています。
トラリーマン3か条
(1)仕事で圧倒的な成果を上げる
(2)顧客から信頼される
(3)会社の中に協力な庇護者がいる
こう書かれると、成果ってなんだろうとか、職種によっては顧客に信頼されるにはどうしたらよいのだろうと多くの疑問も沸くとおもいますしすぐ成功するとは思えませんが、著者はお客様(市場)志向でいれば、何らかの成果は出ると述べられています。
そして、
重要なのは、会社を変えることではありません。一歩踏み出すことによって、あなた自身が変わること
と、述べられています。
最後にこれからの社会のあり方として、「多世代共生社会」を理想とすることを述べられています。
そして、
新しく何かをしようとしている若者を、年長者が応援していく。
これは、まさに、多世代共生社会の一つのあり方です。
若者だけでなく、年長者の存在が大事と言われており、年長者は若者を支援することで
「いけてるGG」になることを期待されています。
最後には、著者の考えとして
日本は少子高齢化や地方の衰退、財政難など、課題だらけの国です。つまり「穴」だらけ、だからこそ、ビジネスチャンスにあふれている
と述べられ、好きなことで楽しんで仕事をすることを提案しています。
本書は、GG世代にも若い世代にも読んでいただきたいと思います。
未来に向かって勇気をもらえる一冊でした。
今回、本書を取り上げた読書会 「3B」の様子はこちら
今回のテーマ本と同様、「GG」の集まりでした。
会場は神保町の「ブックハウスカフェ」です。
興味を持たれた方は、コメント欄にてご連絡いただければと思います。
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