いいおもてなしやよいサービスを受けたときくと、高級な店だから受けられたのでは、と思ってしまうことがある。
今回紹介する本は、著者がみつけたサービスの達人達 8人を紹介している。
サブタイトルは「究極のおもてなし」
さあ、いったいどんなサービスなんでしょう。
本書が紹介するサービスの達人
本書では紹介するのは次の8人。
- 「飛び込み営業」でベンツを日本一売る男
- 「戦後最高」カフェ店主の神様客
- 「デパ地下の女王」とんかつ娘の気迫
- 「稼働率100パーセント」ビジネスホテル支配人夫婦のもてなし
- 「客を母と思え」もつ焼き屋の流儀
- 「餅つき」だけで繁盛旅館をつくった主人
- 保育園業界トップクラスに躍り出た「革命児」の哲学
- クレーム「ゼロ」鮮烈な競争を制するカリスマ美容部員
どの達人のエピソードを読んでも、最初からうまくできている人はいないものだ。
それなにり苦労して身に着けたサービス。凄みはないがほっとさせる印象だ。
印象に残った達人を紹介
2に登場する斉藤さんは東京は赤坂にあるイタリア料理店「グラナータ」で専務取締役までなった方。
今は退職され、個人でカフェを経営している。
グラナータで教わったことは「お客様がしてほしいことをしてさしあげる。それがサービス」ということ。
そして特に気をつけているのは動作と言葉遣いだそうだ。
そこで身に着けた作法はカフェの接待でも生きており、ひとつエピソードを紹介していうr。
ある日のこと、カフェに親子4人連れが来店。家族が食事をしているとき、一番下の弟がひとり誰もいないテーブルを独占してニンテンドーDSで遊び始めたそうだ。両親は困惑していたそうだが、そのまま。
その時、斉藤さんがキッチンから出てきて、腰をかがめて男の子と同じ目線となり言った言葉
「お客さま、あちらのテーブルでシャーベットを召し上がりませんか」
弟は目を白黒さえて父母の元に戻っていったそうだ。
斉藤さんはお坊ちゃま、お嬢ちゃまという言葉も上から目線の言葉だと思うので使わないそうだ。
相手が誰でも同じ言葉遣い。そして誰に対しても心をこめて話しているとのこと
私は一番すきな達人は4のビジネスホテルの支配人夫妻
これは、私も出張でホテルに泊まることが多いということと、チェーン店のビジネスホテルでどう工夫するとサービスがあがるのか。そしてその結果稼働率が100%になったのかというのがサービスと売り上げが結果的に直結しているのを実感したからである。
チェーンのビジネスホテルは「スーパーホテル」だ。だいたい朝食付きで¥5,000以下。残念ながら私は泊まったことがない。
ただ、他のチェーンホテルに泊まってもわかるが、このクラスに泊まるビジネスマンは出張が多く、あまりホテルでは長い時間は過ごさない。快適に寝られて朝食をさっと食べて翌朝気持ちよく出発できればよい。
このホテルの支配人もそんな出張族だった。
なので、自分が宿泊客だったらという視点でサービスを提供する。チェックインと朝食時はスタッフを増やし、お客さまが待たないようにする。毎日ランダムに部屋をチェックし、ごみひとつ落ちていないか?バスルームの換気扇にカビは生えていないかをチェックする。そして問題があれば、外注の業者と折衝し改善に努めていくなどである。
一見、ほとんどの業務も外注にだし、オペレーションが統一されているチェーンホテルでも、知恵を使えばこんなに変わるんだと感じたエピソードであった。
まとめ
それ以外の達人たちもそれぞれ工夫を凝らしてお客さまが気持ちよく過ごせるようにしている。
3.のデパ地下のとんかつ屋は「まいせん」 夕方の混雑する売り場でこの達人はどんなことをしているのか。
5.の新宿はしょんべん横丁のもつ焼きや。狭い店で、みなが気持ちよく飲めるには。言葉ではなく、態度で示す。
8.のデパートの1Fの各社がしのぎを削る化粧品売り場。そこでリピート客をもつカリスマ店員の秘訣とは などなど
紹介されているそれぞれのお店、売り場に行きたくなる。
また、いろんな場面でどんなサービスが提供されているのかということがあらためてきになるようになった一冊であった。
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