老後の資金がありません by 垣谷 美雨 ~ 50代サラリーマン家庭にあるあるかも。【読書記録】

書評

今回は先日の読書会3Bの「私の今年の読み応え本 3冊 発表会」にてメンバーの方が中の選定した本のひとつです。

その時の記事はこちら

2018年 今年の読み応え本3冊 ~読書会「3B」発表会と焼肉鶯谷園の忘年会で今年の活動は終了!

 

発表会の当日に貸していただけるということで早速読みましたが、
これが面白くストーリーに引き込まれて一気読みしました。

今回、紹介する本はこちらです。

 

本書は50代の夫婦が直面する課題を物語に仕上げたものです。
著者の方は1959年生まれ。来年で60歳になるいわゆる定年世代の方です。
他にも「子育て」や「嫁をやめる」など中高年にありがちな問題を物語にされています。

主人公は、50代後半の主婦。長年クレジット会社でパートとして勤務されています。
夫は57歳。建設会社に勤めるサラリーマン。
都内にマンションを購入しましたが、ローンは定年まで残っています。
夫の実家は元々浅草の老舗の和菓子屋を営んでいましたが、引退後は娘夫婦が住む九十九里で豪華なケアマンションに住んでいます。
子どもは二人。
上の娘は結婚も決まり、下の息子も来年就職が決まってます。
あとは自分たちの老後をどうするかという段階の生活を送っています。

この夫婦に、娘の結婚式や夫の父親の葬儀など多額が出費が重なり、
自分たちの老後にためた資金をどんどん使い果たしていきます。
さらに、夫婦ともどもリストラにより失業者となってしまいます。

どんどん苦境に陥っていく夫婦。
まるでどんどん転落していく様についつい引き込まれてしまいます。

そして、その転落の原因が、くだらない見栄だったりします。
この見栄が多くの家庭ではありがちに思え、人ごとではありません。
一方、フラワーアレンジメントで知り合った友達シンプルで質素な生活を心がけています。

二つの家庭でどこがどう違うのか。

ストーリーはどんどん苦境に陥る夫婦。そこから抜け出すにはどうするのか。

物語の中には意外な展開もあり、後半はえっ、こんな流れって感じるかもしれません。
ありがちな話の中で、資金が乏しくなる老後にとって何が本当に必要なのか。
どんな生活をすべきなのか?

ストーリーの面白さとともに、考えさせられる小説でした。

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