【書評】地下鉄に乗って by 浅田次郎

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浅田次郎の小説は2冊目
前回読んだのは日輪の遺産
あの本は現代と終戦の日を結びつけ、それぞれの時代で物語が進んで行った。
本書についても同様の描き方。
現代と過去を結び、それぞれの物語がが進んで行く。
本書では現代と過去を結ぶのが地下鉄
日輪の遺産では昔の手帳が結びつけたが、本書では実際に地下鉄を通じて主人公が
過去に行ってしまうという不思議なシチュエーション。
本来なら違和感があるのだが、そこはふわっとした描き方で本当にタイムスリップしたような
感覚を読むものにも与えてくれる。
スリップした先は戦後の闇市場の時代。ただ、タイプスリップするたびにちょっとずつ過去に
さかのぼって行く。
タイムスリップする中で自分の心に引っかかっている自殺した兄。
タイムスリップすることで兄を助けられるのか?
また、ワンマンだったが一代で企業を立ち上げた父。
父と兄の関係、父と母との関係が過去にさかのぼる度に気づいて行く。
そして、今の恋人。一緒に過去にタイムスリップするのだが、
この恋人との関係はどうなるのか?
戦時中の闇市場の頃、自分は生まれていないのだが、なんか懐かしさを感じさせる描き方。
読み終わるとジーンとくる読後感。
楽しめた小説でした。

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