経営が悪化した一部上場企業にメインバンクが役員を送りこんできた。
その役員はなぜかロボット。
そのロボットを上司に持つことになった30歳の女性課長が5000万円の予算で
新規事業を立ち上げて行く物語。
そのような内容からビジネスを舞台にした痛快小説かと思っていたら期待を裏切られた。
実際には投資戦略の基本的な考え方をわかりやすく伝えてくれる本であった。
本書は5章に別れており、
第一章 新規事業を達成するための3つの戦略
第二章 株式への投資戦略
第三章 事業拡大に向けた資金調達
第四章 不動産投資戦略
第五章 人生における戦略の重要性
となっている。
それぞれの章では主人公の道明美穂課長が思いついた事に対し、
ロボット取締役がロボットらしく感情をいれずに、美穂の考え方を分析し、
基本的な理論とともに、考えをただして行く。そのためすごくわかりやすい。
また、美穂課長は5歳年下のミュージシャン志望の男と同棲しているのだが、
ミュージシャンとして成功するための戦略とも比較しているところが、物語風でもある。
第一章では、競合差別化戦略、キャッシュフロー、正味現在価値
第二章では、株のリスクとリターンの関係性、分散投資に対する考え方
第三章では、CAPM理論や会社の価値の算出の仕方
第四章では、不動産における現在価値の算出方法
など、それぞれを解説している本だとわかりにくい内容が物語を通じ
非常に頭にすっと入ってきます。
第五章からエピローグは本書のまとめ。
投資を成功させるためには、ビジネスだけでなく、人生においても自分の頭でつくった戦略が必要だということでまとめている。
たしかに自分自身しっかり考えて、今があるのかというとそういう訳ではない。
かなり流されてきた部分が多いと思う。
改めて将来を見据えて自分が何をすべきか考えるべきだと感じさせてくれた本でした。
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