発売から1年経ってようやく読むことに
私は「風の詩を聞け」からの村上春樹のファンである。
と、言っても新刊をリアルに読む程では無く、本書も発売から1年経ってようやく読むことができた。
最近の村上春樹作品は二つの物語が交互に進み、ある時からその二つの物語が一緒になっていくというパターンが多いが、今回は主人公「多崎つくる」1人の物語である。
心の傷の原因を探す旅の物語
さて、物語の主人公はタイトル通り多崎つくる 36歳
物語は高校時代の振り返りから始まる。
当時、仲の良かった5人の男女。男3人、女2人。
つくる以外は皆、名前の文字に色がある。
いっぽうつくるは駅を眺めるのが趣味。
つくるを除く4人は地元名古屋で進学したが、つくるだけは駅の設計を学びに東京にいく。
長期休暇のたびに名古屋に戻り、当時の友達に会うつくる。
しかし、ある時から理由も聞かされれず仲間から外される事になる。
この出来事が大きな心の傷として残っているつくる。
この物語は事件から16年たっても心に傷を持ったつくるが今付き合っている二つ上の彼女の進めで昔の友達に会いに行き、真相をたずねる旅の物語である。
登場する女性がいつも素敵
村上春樹は登場する女性の表現がとても上手である。
今回も今の彼女の沙羅。38歳で仕事も出来る。ファッションもシンプルでセンス良し。
読んでいるだけで会いたくなるような女性である。
高校時代の友達の2人も素敵である。
前作、1Q84の青豆も素敵だったし、どうしてこんなに女性を素敵にかけるのだと思う。
現実と非現実
村上春樹の物語は現実の物語の中んい非現実が入ってきて不思議な世界を描き出す。
その最初は羊男だったかもしれない。
前作1Q84では空気さなぎ。
今回は6本指の人間。
やはり描かれたセックスシーン
ファンタジーなのに、毎回描かれるセックスシーン
こちらも女性の表現の仕方とともにうまく表現しています。
それにしても、なんで毎回描くんでしょうね。
今回のテーマ音楽
1Q84ではヤナーチェク
今回はフランツ・リストの巡礼の年という曲集の中のル・マル・デュ・ペイ
いつもながらあまり知られていない曲を探してきて物語とマッチさせる。
いずれも聴いた事無いけど、聴きたくなりますね。
全般の感想
1Q84が大作だったので、読んでいるとあっ、もう終わりって感じ。
特に巡礼の旅はちょっと寸詰まり感があるかもしれません。
もっと、色々ぶつかって欲しかったな。
後は旅から帰って、沙羅とどうなったか?
もっと知りたいという欲求が残りました。
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